サッカーで大事なのは自分たちを信じること

2026年ワールドカップ・アジア最終予選で日本代表と対戦するサウジアラビア代表の前日記者会見が、2025年3月24日に開催された。登壇したエルベ・ルナール監督は、厳しい試合を覚悟しつつ、勝ち点3獲得への強い意欲を語った。現在の予選状況、チームの課題、日本へのリスペクトを率直に述べ、勝利への決意を滲ませる会見となった。

日本戦の重要性と準備

ルナール監督は冒頭で「明日の試合は我々にとって非常に重要」と語った。アジア最高峰のチームと認識する日本に対し、「ピッチの上で戦う準備はできている」と自信を覗かせた。残り3試合(日本、バーレーン、オーストラリア戦)を戦う中で、日本戦の結果が予選突破に大きく影響することを理解している。「日本は規律正しく、質の高い選手が揃ったチーム。100%の力で挑んでくるだろう」と相手の実力を認め、「自分たちを信じ、予選通過を信じて戦うことが大事」と選手を鼓舞した。


最近のチーム状況と課題

最近の試合を振り返り、監督は中国戦について「ゲームを支配したが、得点チャンスを活かしきれなかった」と悔しさを滲ませた。ガルフカップの結果はワールドカップ予選とは別物とし、「メンバーは同じではないが、トーナメントから学ぶことがあった」と前向きに捉えた。しかし、負傷者の多さがチームの課題として浮上している。コンディショニングの問題を問われると、「確かに怪我人はたくさんいるが、それがサッカー。状況に慣れ、調整していく必要がある」と現実を受け入れた。中国戦後に足をつった選手への水分摂取不足の指摘にも触れ、「選手自身が体調管理に責任を持つべきだ。ラマダン期間のような調整は簡単ではないが、明日に向けて準備を整える」と対策を講じる姿勢を示した。


日本へのリスペクトと戦略

日本が本大会出場を決め、ワールドカップ優勝を目標に掲げる点について、監督は「良いチームが大きな野心を持つのは当然」と称賛した。「質の高い選手が揃っており、将来それが可能になるだろう」と未来への期待を込めつつ、「本大会出場が決まっていても、明日の試合で手を抜くことはない」と警戒心を露わにした。具体的な戦略や「武器」については明言を避けたが、「とてもタフな試合になる覚悟はできている」と準備の徹底を語った。「サッカーで大事なのは自分たちを信じること」と繰り返し、勝利への信念を強調した。


予選突破への現実と希望

予選の現状について、監督は「まだ3試合残っている。明日日本と戦い、次にバーレン、そしてホームでオーストラリア戦がある」と展望を述べた。しかし、「2位に飛び上がるのはかなり厳しい」と冷静に分析。3年前のカタール予選終盤で祝賀ムードだった状況とは異なり、現在は苦境にあることを認め、「これがサッカー。いつも状況に合わせて強くなり、戦い、2位以内を目指さなければならない」と語った。「予選が難しかろうが、少し楽であろうが、通過して本大会に出ることが大事。それが決まれば、それまでのことは忘れられる」と楽観的な一面も見せ、チームに希望を与えた。


日本戦の意義と監督の思い

日本戦の重要性を問われると、「3位以下が密集している中で、明日何らかの結果を残すことは非常に大きな意味を持つ」と回答した。日本が本大会出場を決めている状況が試合に影響する可能性については、「日本のサッカー理念をよく知っている。彼らは常に全力で戦う」と影響を否定。監督としての自身の貢献を問われた際には、「状況は3年前と違うが、予選を通過することが目標。それに向けて戦い続ける」と決意を新たにした。


選手と自身を信じる

ルナール監督の会見からは、日本戦を正念場と捉え、課題を抱えながらも勝利への執念を燃やす姿勢が伝わってきた。負傷者やコンディショニングの問題を現実的に認めつつ、日本へのリスペクトと戦う準備を強調。予選突破への厳しい道のりを冷静に見据えながら、選手と自身を信じるメッセージで締めくくった。3月25日の日本戦で、サウジアラビアがどのような戦いを見せるのか注目が集まる。


  

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