選手たちは120%ファイトしてくれた

アルビレックス新潟レディースの橋川監督は、皇后杯全日本女子選手権決勝での敗戦を「最高のゲームだった」と振り返った。PK戦の末に惜敗し、初タイトル獲得の夢は叶わなかったものの、選手たちの戦いぶりを高く評価した。


「ほんとに最高のゲームだった。相手も最高のチームで、最後はPKで結果を取れなかったけど、選手たちは100%ファイトして、120%ファイトしてくれた。いろんな方に支えられて、この舞台に立てた。サポーターの皆さんやメディアの皆さん、本当に多くの支える方がいて、この試合が成り立っている。ただ、何かがまだ足りない。だから私たちは挑み続けるしかない。」

試合の中で、新潟は先制されながらも試合を崩すことなく進め、延長戦そしてPK戦まで持ち込んだ。「プラン通りというよりも、選手たちがその場その場の状況に応じてしっかりプレーしてくれた。失点しても崩れず、自分たちの時間を作っていった。後半に決めきる場面があればもっと最高だったけど、まだまだ足りない部分がある。それをこれから埋めていきたい。偉そうにプラン通りと言えるようなことはないが、選手たちがやりたいサッカーを実践してくれた試合だった」

また、選手たちの柔軟なプレーを称賛しつつ、改善点も冷静に分析した。「試合の立ち上がりは苦しい状況だった。失点もしたが、そこから少しずつポジションを取り、浦和の背後を狙いながら、足元が空いたところを見逃さず攻めた。守備も攻撃も柔軟に対応し、選手たちはプレーモデルを元に自ら判断してくれた試合だった。まだ改善できる部分はあるが、選手たちは確実に成長している」

試合後、選手たちの表情に触れ、彼女たちの気持ちを代弁した。「選手たちの表情からは悔しさも充実感も感じられた。浦和やアイナックといった壁に挑み続けるしかない。少しずつの成長が大きな壁を乗り越える力になる。」


2年目の監督として、今シーズンのチームの成長についても語った。「私が就任する前から、堅守というベースがしっかりしていた。それを受け継ぎ、さらに柔軟な攻撃を加えながら成長してきた。戦術的なことだけでなく、大きな目標や夢を掲げ、それを追い続けることでチームは自走する組織になれる。ベテランも若手も中堅も、それぞれが判断しながらプレーできるのがこのチームの良さだと思っている。前半でいなす場面がもっとあれば良かったが、それも含めてまだまだ伸びていく」

最後に橋川監督は「女子サッカーには可能性がある。これからも応援をよろしくお願いします。本当にありがとうございました」と女子サッカーの可能性について触れ、ファンやメディアに感謝の言葉を述べた。

Photo by HiroshigeSuzuki/SportsPressJP