~頂上決戦制したINAC神戸~
ジョルディ・フェロン監督「プラン通り」 首位日テレを分析し徹底対策
2024-25 SOMPO WEリーグ 第20節、首位・日テレ・東京ヴェルディベレーザとの直接対決を制した2位・INAC神戸レオネッサのジョルディ・フェロン監督が試合後会見に臨み、試合の総括と勝利の要因を語った。
試合前、日テレ・ベレーザの攻撃力を警戒していたフェロン監督は、「相手にボールを持たせると良いサッカーをするチーム。クオリティの高い選手がいるので、楽にボールを持たせてはいけない」と選手たちに指示。前半は特に、スペイン風のアグレッシブなプレースタイルで高い位置からプレッシャーをかけ、ボールを奪取することを徹底した。監督は「今週ずっと練習してきたことをうまく発揮できた。プラン通りの形で流れを持っていけた」と前半の出来に手応えを感じていた。
守備に偏るだけでなく、攻撃への意識も高く持たせていたINAC神戸。フェロン監督は「私たちもうまく自分たちの時間を作っていかないといけないので、攻撃に関しても指示は出していた」と語り、リードを守り切った後半の守備についても「いい形で守備ができていた」と振り返った。
試合後の質疑応答では、日テレ・ベレーザのスリーバックからの攻撃をほぼ完璧に封じた守備について質問が及んだ。フェロン監督は、相手の序盤のビルドアップ、特に3バックからの攻撃の起点を潰すことを意識していたと説明。「積極的に前からプレッシャーをかけていこうと思っていた。そこをうまく抜けられて中盤にボールを運ばれてしまうと、非常にモビリティのある選手が多く、繋ぎもうまくなるので、そこに運ばせたくなかった」と狙いを明かした。
具体的な対策として、相手のゴールキックの場面などではリスクを冒してでも1対1ではめていくプレスを指示。ボールが入ってきた際には、厳しくフィジカルコンタクトで対応することを徹底した。この守備の強度は、今週の練習の大きなテーマだったと言う。
また、日テレ・ベレーザの得点源であるボランチの眞城選手と菅野選手、そして左サイドの山本選手の対策についても言及。中盤の選手には常に警戒しプレスをかけるように指示し、山本選手に対しては、守備的な選手を置くか、攻撃的な水野選手を起用して攻撃を防ぐかの二択から後者を選択。水野選手に積極的にサイド攻撃を仕掛けさせることで、山本選手の攻撃力を封じる狙いが見事に的中した。フェロン監督は「山本選手の良さは攻撃。それをうまくさせないというところで、守備に回すということで、うまく対応したかった。それがうまくいっていたと思う」と分析した。後半に追加点を奪えなかった点については、「日テレ東京Vベレーザは、そんなに点数をたくさん取って勝てる相手ではない」と冷静に分析。勝ち点3を確実に奪うことを最優先に考えていたことを明かした。
浦和レッズレディースやサンフレッチェ広島レジーナとの対決で良い試合内容だったが勝ち点を獲得できなかった試合を振り返り、「今日は本当に良い内容で勝てた。勝利を掴めたということは、うちのチームにとって大きかった」と、この勝利の意義を強調した。
この勝利により、INAC神戸レオネッサは首位・日テレ・東京ヴェルディベレーザと勝ち点45で並んだ。ジョルディ・フェロン監督の緻密な戦術と選手たちの高い集中力が、首位との勝ち点差をなくす大きな一歩となった。終盤の優勝争いは混沌としてきた。
取材:HiroshigeSuzuki/SportsPressJP
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