若い子たちがこの決勝に連れてきてくれた

アルビレックス新潟レディースの上尾野辺めぐみ選手は、天皇杯決勝戦後、珍しく涙を見せた。「本当に本当にあとちょっとのところなんですけど」という上尾野辺選手は、「やっぱり自分がもうシルバーコレクターで5個目というところで、なんも言えない」「一番悔しかった。今までの中で」と悔しさを率直に語った。手の届きそうな所まで来ていただけに、その思いは一層強かったという。途中出場となった今回の試合では、「いつも通りボールを動かせたらいいなと思っていた」と語り、延長戦に向けては「まずは失点しないというところをしっかり考えて入った」と振り返った。


それでも「チャレンジするしかない」と前を向いた。チームの戦いぶりについては、早い段階での失点があったものの、「しっかりと取り返す力がついてきた」と評価。後半は新潟のペースで試合を進められた場面も多く、「たくましい選手が増えた」と手応えを感じていた。しかし、勝ち切れなかった要因として、「自分たちの流れに来た時にどれだけ得点を取れるか」が課題だと指摘。タイトルを獲得するために更なる向上が必要だと痛感したという。


試合内容については、「点を取れるチャンスが何度かあった」と振り返り、「お互いがその1点をどっちが取るかという試合だった」と、拮抗した展開だったと語る。PKでは、「浦和さんが凄い旗を振って色々やっていて、逆に凄いなと思いながら、この中で決めたら最高だな」と考えながら臨み、実際のキックでは「コースに行けば入るかな」と落ち着いて決めることができた。


若手の横山選手がPKを決められなかったことについては、「それも凄い経験の一つ。若い年齢で経験できたのは良かった」と前向きに評価。「若い子たちがこの決勝に連れてきてくれた」と感謝の言葉も口にした。試合後のチームの雰囲気については、「もうワイワイしてた」と切り替えが早かったことを明かした。上尾野辺選手は「120分、みんながしっかり戦ってくれた」と選手たちを称え、PKは「運のつき物」としながらも、「ただただ悔しかった」と素直な心境を語った。

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