11人だけじゃなく、ベンチも含めて全員で戦えた

なでしこジャパンがシービリーブズカップで3連勝を飾り、見事に優勝を果たした。宝田沙織選手がオンライン取材に応じ、大会全体とアメリカ戦の感想を語った。


「最初の2戦でチャンスがなかった分、このアメリカ戦でチャンスをもらったので、ミスを恐れずにたくさんチャレンジしようという思いで試合に入りました」と宝田選手は初先発となったアメリカ戦への意気込みを語る。「個人のところでは負けたり、球際で弱かった部分もありましたが、後半は特に修正しながらチーム全体で守れたところは良かったなと思います」 


13年ぶりにアメリカを下した歴史的な勝利に関しては、「めちゃくちゃ嬉しかったですし、なかなかアメリカに勝てなかったんで、特別な思いはありました」と喜びを爆発させた。 


勝利の要因について、「やっぱり自信を持って1人1人が繋ぐところで、日本が結構ボールを保持できたと思うので、攻撃に繋げたり、時間帯によってはゆっくり時間を稼いだりできたのは、アメリカ相手でもできたポジティブな部分です」と分析。さらに、「前からの守備でしっかりはめられたことや、ボランチとディフェンスラインに入ってくる選手に対して誰が対応するのか、コミュニケーションがしっかり取れたのが大きかった」と、守備面での進化を強調した。 


今大会全体を振り返り、「得点のところでいろんなバリエーションを作れたり、日本らしさをたくさん出せたのが良かったと思います。監督が言うように、気持ちのところで負けない、チャレンジミスを恐れず自分を信じてプレーすることが大事だと強調されていたので、個人が自信を持って、それをチーム全体で合わせていくことが、この試合を通じてできたと感じています」とチームとしての手応えを語った。 


短い大会期間での成長についても、「どんな選手が出ても勝てるチームであることが、3試合を通じてできたと思います。監督からは、誰が出ても勝てるというところで、みんなが自信を持ってプレーすること、出場しない選手もベンチでいい準備をして試合に臨むことが強調されていたので、11人だけじゃなく、ベンチメンバーも含めて全員で戦えたと感じています」と充実感を示した。 


約2年ぶりの代表復帰となった宝田選手にとって、日本代表でのプレーは特別な意味を持っていた。「日本人らしいところがすごく出た試合だったと思いますし、チームでは感じられない部分を代表で感じる中で、合わない部分もあれば、逆に日本人だからこそ分かることもありました」と、日本人選手同士の連携の良さを再認識した様子だ。 


自身が1戦目、2戦目でベンチスタートだったことについては、「ベンチから見た声かけや、いつ誰が入ってもいいようにみんなで声をかけ合いながら準備することは意識していました」と、チーム一体となって戦う姿勢を明かした。 


具体的なプレー面では、センターバックとしての役割について言及。「アンカーに入る選手によってプレースタイルや特徴が違うので、その選手に合わせたり、相手の6番が変わるのに応じて試合中にコミュニケーションを取りながら対応しました」と説明。 


「試合には最初集中して入りましたが、空中の球際や視点に繋がる個人のターンされる部分ではまだ強度が足りないと感じました。チャレンジした結果、課題が出たので、そこに向けてしっかり取り組んでいきたいです」と課題と意欲を示した。 


アメリカの強力なフォワード陣への対応については、「相手のフォワードは速さや強さがあったので、そこへの対応を試合を通して修正できたのが良かったと思います」と振り返り、多様なポジションをこなせる自身の強みを存分に発揮した試合だったようだ。 


試合後の表彰式では、高橋はな選手や田中美南選手がトロフィーリフトを無視する場面も見られ、「個性が出るところでチーム力を実感しました」と笑顔で語った。「練習しているわけではないですけど」と付け加え、チームの自然な団結感を垣間見せた。


 

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