チームの成長を実感しながらも、タイトルを逃した悔しさを口にした川澄選手。決勝戦後、「もうほんとに悔しいですけど、みんなでね、ここまで戦い切った、出し尽くすことができて、このチームで戦えて良かった」と振り返った。敗戦の要因を問われると「今日ばっかりは運だった」と語り、120分間の戦いぶりへの後悔はないという思いを示した。
試合展開については「先制されても追いつくことができてるっていうのは、本当に少しずつですけど、チームが自力をつけてきてる」と手応えを口にした。延長戦まで持ち込んだ点についても「リーグとはレギュレーションが違うとはいえ、やっぱり引き分けで、なんとか120分のところでも、引き分けっていうところまで持っていけてるっていうのは、自信にしていい部分」と評価した。
試合を通じて「相手にも決定機がありましたし、自分たちにも決定機がありましたし、あそこで決めてればという場面がたくさんあった」と振り返り、「それも含めてサッカーだと思いますし、だからこそ、もうPKまで行って」と接戦を演じた内容を総括した。
自身のシュートチャンスについては「後半開始早々のヘディングもそうですし、延長戦のシュートもそうですしね。もうだから、やっぱりああいうところをね、決めきれる選手にならないといけない」と課題を挙げた。
PKを外した横山選手には「もう大丈夫だよって声をかけました。私自身もアメリカで決勝戦でPKを外した経験ありますし。それがどれだけチームに貢献できないかっていう責任を感じてしまうっていうのは、気持ちはわかるので。でも、そうじゃないっていうのも重々わかっているので、本当に顔あげて大丈夫だよっていうことを話しました。」と自身の経験を重ねながら励ましの言葉を送った。
試合内容については「自分たちが準備してきたものっていうのを、ある程度押し込まれる時間もあるよねっていうのも含めて、自分たちの形をほんとにバチバチに出せた」と手応えを感じていた。特に浦和への対応について「そういったところができるようになってるっていうのも、チームの成長の明かし」と語り、「そこがあんまりこう、うまくいってない時期も正直あったので。ただ、その辺が本当にみんなスムーズにできるようになった」と成長を実感した。
上位3チームとの差についても「縮まってると思う」と前向きな見方を示し、「やっぱり決勝まで来れるっていうのは、運だけじゃ来れないと思ってるので、そこはやっぱり自力がついてる」と自信を見せた。「レッズがちょっとでも苦しい試合だったなって思っててくれたらいい」という言葉からは、強豪相手に互角以上の戦いを展開できた自負も垣間見えた。
試合でのエンド選択について「どちらのチームもサポーターに勢いがあるので、後半の方がね、多分苦しい時間になるのが多いなっていう風に思ったんで、そういう時こそ背中からサポーターの皆さんにこう押してもらおう」と、サポーターの後押しを意識した判断だったことを明かした。
失点後の対応では「みんなでちょっと集まって、もう1回、守備のところもそうですし、ちょっと相手のディフェンスの山をもう一山越えてこうっていうところは話をした」と説明。「慌てずにね、もちろん失点してしまったんですけど、慌てずに前半のうちに1点返したっていうのは、もうこれも1つの成長」と評価した。
新潟に来たのは幼なじみの上尾野辺選手の存在があった。「最初はそのために来たと言っても過言ではない。きっかけはそれでしたけどね。でも、今、ほんとに一緒にタイトルを取りたいって思える仲間が、上尾野辺選手だけでなくて、ほんとにみんながそういう存在になってくれている」と語った。
試合後、涙を見せた上尾野辺選手について「なかなかないんで」と珍しい様子だったことを認めつつ、「あんまりそういうところでね、私がちょろちょろ行くとね、私が行くともっと泣いちゃうかもしれない」と、長年の付き合いならではの気遣いも見せた。
そして「サッカー選手としてすごく幸せ」と現在のチームへの想いを示しながら、「またこういった舞台に戻ってきて、次こそはタイトル取れるように努力していきたい」と、新たな決意を語って締めくくった。「チームはほんとに1歩1歩ですけど、成長してる」という実感とともに、さらなる高みを目指す覚悟を示した。
チームの成長を喜びつつも「相手があってのスポーツなので、それ以上に他のチームも成長しているかもしれないっていうところも考えながら、両面をしっかりと見てやっていきたい」という言葉には、ベテランらしい冷静な分析と、さらなる進化への意欲が込められていた。
Photo by HiroshigeSuzuki/SportsPressJP
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