フットサル日本女子代表候補は9月24日から28日にかけて、千葉県の高円宮記念JFA夢フィールドで国内トレーニングキャンプを行った。11月に迫るワールドカップを見据えた重要な活動であり、須賀雄大監督は5日間を通じて得られた収穫と今後の課題について振り返った。
今回のキャンプには19名の選手が参加した。監督が掲げた目的は二つで、一つはワールドカップに向かう14人を選ぶための場であること、もう一つはその大会で優勝するための準備を進めること。選手たちが日々を全力で取り組み、その両方を確実に得られた実感があると語り、最後まで全力を尽くした選手たちに感謝の思いを示した。
活動の中で最も重視したのはアジアカップで見えた課題を修正することだった。同時に、世界の強豪を意識した取り組みも欠かさなかった。スペイン、ブラジル、ポルトガル、イタリアといった国々を想定し、彼らに対して勝負できる準備を整えることが大きなテーマとなった。日々のトレーニングから実戦まで、その視点を持って取り組ませたと語る。
キャンプ期間中には、フットサルフィリピン女子代表とのトレーニングマッチを2度実施した。フィリピンはアジアカップでイランやベトナムと接戦を演じている実力を持つチーム。その相手に対し、日本は内容でも結果でも優位を示せたことに手応えを感じている。特に2試合目では「ハードワーク世界一」というチームのアイデンティティを選手たちが理解し、言葉だけでなく身体で表現できたことが確認できたという。試合を重ねるごとに連携や得点のバリエーションが高まり、その成長がスコアに表れたことも収穫とした。
試合の中ではセットを固定して起用する方針を採った。ワールドカップ本番でフィールドプレーヤー16人を均等に回すことは基本的に想定されない。そのため、実戦に近い状況でどれほど強度を落とさず最後まで戦えるかを試すことが狙いだった。攻撃面ではフィリピン相手にボールを保持しながらも、相手に合わせず積極的にフィニッシュへ向かう姿勢を求めた。守備面ではフィリピンへの対応を超えて、ブラジルやポルトガルといった世界の強豪を相手にすることを想定し、自由を奪い続ける強度あるプレスを意識させた。結果としてどのセットも持ち味を発揮し、特定の組み合わせが突出したというよりは、それぞれが異なる良さを示したと評価している。
選手選考については、ここから本格的に絞り込みが始まる。基準はただ一つ「ワールドカップで優勝できるチームを作ること」。公平に、そして冷静に判断し、必要なメンバーを選び抜くと断言した。今回初招集となった選手については、以前から注目していた存在であり、アジアカップを戦った既存のメンバーをさらに上回っていく成長を期待できると考えている。最大の目的は彼女たちを知ることにあり、そこに将来性を感じていると明かした。クラブや指導者、Fリーグ関係者など、選手を送り出した全ての関係者に対しても感謝を口にした。
5日間の活動を経て、須賀監督は「11月のワールドカップに向けて素晴らしい準備ができた」と総括。フィリピン戦での成果を踏まえ、チームはさらに優勝に向けて進んでいくと語った。女子フットサルの歴史を作ってきた人々の思いを背負い、憧れと共感を抱けるチームを目指すとし、サポーターに対して「共に戦ってほしい」と呼びかけた。
取材:JunkoSato/SportsPressJP
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