大阪で開催中の「大阪市長杯2025世界スーパージュニアテニス選手権(J500大阪)」で、男子シングルスの渡邉栞太(精華学園宮島高2年)が決勝進出を決めた。16歳の渡邉は今大会に残る唯一の日本人選手であり、国内トップジュニアとして快進撃を続けている。
準決勝で雪辱を果たす
準決勝の相手はロシアのリブキン。同世代の2009年生まれで、先週のJ200三木では1-6、7-5、4-6で敗れていた因縁の相手だった。今回の再戦では、ファイナルセット5-5の緊迫した場面でも冷静さを保ち、「一つずつ」を意識してリラックスしたプレーを展開。終盤に体力面で苦しみながらも集中を切らさず、最後は気迫で押し切って勝利を収めた。前週の反省を生かし、試合運びの修正が光った一戦となった。
成長を示すメンタルと戦術
渡邉は当初、決勝進出までは想定していなかったと語る。それでも今大会では試合ごとに気持ちを切り替え、安定したメンタルで勝ち上がった。戦術面でも進化を見せた。相手の回り込みフォアに対し、無理な強打ではなくスライスで揺さぶりをかける展開を選択。さらに練習してきたドロップショットを効果的に織り交ぜ、勝負所でポイントを奪った。第3セットの立ち上がりでは声を出し、気迫でリズムをつかんだ姿も印象的だった。
背景とキャリア
広島市出身の渡邉は身長177cm。5歳の頃からテニスを始め、U14日本代表を経験。中牟田杯(U15)、MUFG(U16)、全日本U16と国内主要タイトルを総なめにしてきた。現在は神戸に拠点を置き、国内外で研鑽を積む。デ杯ジュニア(U16)代表でもあり、日本ジュニア界の旗手と呼べる存在だ。
決勝の舞台へ
決勝の相手はイゴール・プレシフツェフ (ロシア)。渡邉は「サーブがクイックで取りにくい印象」と評しており、リターン強化を課題に掲げる。観客席が埋め尽くされた準決勝を経験し、序盤は緊張もあったが、後半はその声援を力に変えた。決勝でも「勝ち切る」意識を胸に挑む。
取材:TomoyukiNishikawa/SportsPressJP
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