男子テニス世界ランク151位の西岡良仁が、木下グループ ジャパンオープン(東京・有明、ATP500)の開幕を前に記者会見に臨んだ。1回戦の相手は世界30位のルカ・ダルデリ。23歳の若手について「練習もしたことがほとんどなく未知数」と語りつつ、クレイでの勝率が高い選手だと分析。ただし自身は有明のコートに慣れており、さらに直前までデビスカップでプレーしていた経験も「アドバンテージになる」と自信をのぞかせた。
西岡はここ1年ランキングを落とし、ツアーの主戦場を失いつつある。それでも「テニスの内容は悪くない」という。全米後のデ杯では怪我を抱えながらも「一番いい形」でプレーできたと手応えを語る。勝ち切れない要因は「体の問題」が大きいとし、メンタル的な落ち込みはあるものの、プレー自体は上向きにあると前向きに捉えている。
今大会では腹筋の怪我からの回復具合も注目されたが、会見では「もう痛みはない」と明言。数日間の休養を経て、直前にはしっかり打ち込めており、問題なく試合に臨めるという。
一方で今大会の運営に関しては、午後9時終了ルールによるナイトマッチ廃止に言及。「平日夜は観客が最も入りやすい時間。興行的にはマイナス要素」と懸念を示した。自身もテニスの普及活動に力を入れており、「ファン目線でもデメリット」と語った。
ランキング151位の現状から、今後はチャレンジャー大会中心の転戦を余儀なくされる。全豪オープン本戦のカットラインが11月中旬に迫る中、それまでアジアを中心に転戦して100位以内復帰を狙う。「今年は全豪の本戦に戻ることが目標」と明確に口にした。
29歳最後のシーズンを戦う西岡は、年齢による変化も実感している。かつての爆発力やエネルギーの波は「少なくなってきた」とし、「少し年を取ったなと感じる瞬間がある」と率直に語った。ただし、坂本怜選手や望月慎太郎選手といった若手の活躍から刺激を受けており、「彼らからエネルギーを吸収したい」と意欲を燃やす。
「試合では自分の強みだった爆発力をまた出していきたい」と語る西岡。デ杯で得た手応えと若手からの刺激を武器に、30歳を迎える前の最後の大舞台でどんなプレーを見せるか注目される。
取材:JunkoSato/SportsPressJP
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