男子テニスの木下グループ・ジャパンオープン(ATP500/東京)は23日、シングルス予選決勝を行い、世界ランキング271位で主催者推薦の島袋将が第4シードのフアン・マヌエル・セルンドロ(アルゼンチン)を6-4、6-3で下し、2年ぶり3度目の本戦入りを決めた。
試合後の会見で島袋は「本当にプレーしながら楽しかった。最後まで自分らしいプレーができた」と笑顔を見せ、「この勝利が自信につながった」と手応えを口にした。ただ過去には本戦で初戦敗退も経験しており、「ここからが勝負」と気を引き締めた。
キャリア5年目の島袋にとって、本戦での一勝一勝は大きな意味を持つ。ランキングポイントの獲得だけでなく、トップレベルの舞台で戦う経験が次の成長に直結するからだ。「ATPの舞台で少しでも多く勝つことがレベルアップにつながる」と語り、連勝への意欲を示した。
一方で今季前半は思うように結果が出ず、「テニス自体は悪くなかったが、勝ちにつながらなかった」と振り返る。試合中にネガティブな思考に陥る場面が多かったと自己分析、「勝ち負けを一度置いて、自分のテニスを高める」ことに意識を切り替えた。そこから気持ちをリフレッシュし、チャレンジャー大会で優勝。今回の予選突破にもつながったという。
4月からは元日本代表監督の岩渕聡氏とともに活動しており、国内外での助言や練習が支えになっているといい、「存在は大きかった」と感謝を述べた。「勝てなかった上半期があったから今の結果につながっている」と前向きに語る姿も印象的だった。
この日の試合では、守備的なセルンドロに対して「攻撃の幅を広げる」ことを徹底。積極的に仕掛け、メンタル面でもポジティブさを保てたことが勝因となった。「勢いで勝っていた時期もあったが、今の方が強い自分になっている」と成長を実感している。
目標は「トップ100入り」。苦しい時期を乗り越えた今、その到達を「全然遠い目標ではない」と力強く語った。
取材:JunkoSato/SportsPressJP
0コメント