日テレ・ベレーザ、7-0で圧勝

塩越柚歩が前半だけでハットトリック、山本選手は4アシスト

2025/26 SOMPO WEリーグ第7節、日テレ・東京ヴェルディベレーザ(以下、ベレーザ)は9月20日、味の素フィールド西が丘でジェフ千葉レディースと対戦。攻撃陣が爆発し7-0で大勝、守備も無失点に抑えた。

雨の中で始まった試合は序盤からベレーザが主導権を握った。前半10分に相手のミスを突いて先制すると、移籍2年目の塩越柚歩が畳みかける。23分には山本の右からの低いクロスに合わせゴール、29分にはエリア内で冷静に右足を振り抜き追加点。37分にはクロスバーに当たったこぼれ球を押し込み、前半だけでハットトリックを達成した。塩越はこれで3試合連続得点となり、得点ランキングでも上位に浮上した。一方の千葉はベレーザ出身の木村らが奮闘を見せたが、反撃には至らなかった。


後半もベレーザの勢いは止まらない。開始直後に樋渡がネットを揺らすと、その起点も山本。鋭いクロスや正確なラストパスでこの日計4アシストを記録し、攻撃の中心として輝いた。さらに途中出場の伊藤が冷静に決めて6点目。終盤にはコーナーキックから村松がヘディングで押し込み7点目。守備陣も集中を切らさず、クリーンシートで試合を終えた。


楠瀬監督「大勝も課題は残る」

試合後、楠瀬直木監督は大勝を評価しつつも「ゲームのマネージメントや緩んではいけない場面での強弱に課題がある」と冷静に分析。前節のシーソーゲームを踏まえ「点を取った後の集中力は少し改善された」と収穫を語った。

守備については「パスの強弱やテンポの“緩さ”が減ってきた」としつつ、「自陣での幼さの残るプレーはまだある。前半戦で厳しく指導していきたい」と明言。ベテラン村松の危機感や若い眞城のハードワークが守備改善に寄与しているとも述べた。

塩越と山本の連携については「塩越が“ここに欲しい”と要求する場所に、山本が“ここなら通せる”と理解して出している結果」と評価。ただし「次も必ず決まるわけではない。さらに精度を上げていく必要がある」と継続的な成長を求めた。チームが7試合で25得点と爆発的な得点力を示している点については「昨季も得点は多かったが失点も多かった。取れるときに取るのは大事だが、守備の基準を高めなければならない」と引き締めた。

さらに11月のAWCL(AFC女子チャンピオンズリーグ)を見据え「今のパススピードやボール回しではアジアの強豪には通用しない。いなす場面でも何十回も練習を重ねる必要がある」と厳しい口調で語った。昨年E-1選手権を経験した選手も多く「その基準を思い出し、次の舞台に備える」と引き締めた。


PHOTO:植原義晴/SportsPressJP