チーム全員で掴み取った勝利

2025年8月24日、WEリーグ第3節がヨドコウ桜スタジアムで行われ、セレッソ大阪ヤンマーレディースがホームで待望の初勝利を挙げた。松田監督は試合後、熱いサポーターの声援に感謝しつつ、選手たちの成長と「強度の連続性」を評価。課題を克服したチームの戦いを振り返り、次なる戦いへ視線を向けた。

ホームサポーターへの感謝と勝利への道筋

松田監督はまず、ホームでの多くのサポーターの声援について触れた。「本当にホームで多くの方に来ていただき、選手たちの背中を押してくれた。勝利するために必要だったパワーで非常に欠かせないものだった」と感謝を込めて語った。

試合序盤はリズムを掴むのに苦労したものの、選手たちにスピードをコントロールしながらボールを動かすことを意識させた結果、徐々に相手のギャップが見えてきたという。「最初のうちはなかなかゴールに近づくための相手を剥がすプレーができなかったが、時間の経過と共に、ボールを動かすことによって相手のギャップが見えてきた。そこに対してハードワークできたのがゴールにつながった」と分析した。

課題克服への手応え

開幕戦ではボールを動かす意識はあったが相手を剥がせず、第2節では相手の裏を狙うあまりボールを動かせなかった。松田監督は「その2つの課題をしっかりと選手たちが意識してゲームができたことが本当にゴールにつながった」と選手たちの成長を評価した。得点したことの喜びよりも、選手たちがやるべきことを整理してゲームの中で表現できていることに同じくらいの価値を見出していると明かした。「しっかりとやるべきことが整理されてゲームの中で表現できている。それがゴールしたことと同じぐらい良かった」


選手の競争意識と継続への決意

先発出場した選手たちについて、練習での成果が試合に現れたことを評価しながらも、「今日いいプレーをしたから来週が約束されているわけではない。また1週間しっかりとチーム内で戦ってほしい」と継続的な競争の重要性を強調した。

宝田選手については、「フォワードで勝負したいという強い意思を持って我々のところに来てくれたが、まだまだこんなものではない。彼女のポテンシャルの全てを引き出せているわけではない」と更なる成長への期待を示した。今後も厳しい要求を続けていく姿勢を示し、「これで満足していたら多分次はない。すごくいいプレーだが、でもまだまだ全然こんなものではない」と語った。

連続性の重要性

2点目のゴールシーンについて質問されると、松田監督は連続性の重要性を説いた。「プレーは本当につながっていかないと機能しない。守備に関しても1回追って終わりではなく、1回追って2回追って3回追ってダメなら仕方ない」として、攻撃面でも同様の連続的な思考が重要だと強調した。

前2試合と比較して「パスして終わりだったり、その連続性が少なかった。それに比較してみると今日は非常に高い意識を持ってやってくれた」と今回の試合での改善点を評価した。

松田監督は最後に「本当にただ1試合勝っただけ。これを次にどうつなげていくかというところでは、これで満足せずに次の試合に全力を注いでいきたい。我々の目指すところはもっともっと上にある」と、さらなる高みを目指す決意を示してインタビューを締めくくった。


Photo:KatsuyaYabu/SportsPressJP

TEXT:TomoyukiNishikawa/SportsPressJP