2025年8月17日、フクダ電子アリーナにおいて行われた2025/26シーズンSOMPO WEリーグ第2節、RB大宮アルディージャWOMENとジェフユナイテッド市原・千葉レディースの一戦は、試合開始直後の激しい立ち上がりから、互いに勝ち点1を分け合う白熱の展開となった。試合は1–1の引き分けで終わった。
鮮やかな立ち上がり—髙橋美紀、開始1分で先制
試合開始からわずか1分、RB大宮MF髙橋美紀(背番号4)が鮮やかなゴールを突き刺し、一気に主導権を握った。RB大宮は“レッドブル流”の高強度プレスと前線からの素早い守備で、終始攻勢を維持したが、得点機を活かしきれず追加点を挙げることはできなかった。
柳井里奈監督は試合後、「チームは良い形でゲームに入ることができたが、追加点を決めきれなかった点が課題」と分析。自身のプレッシングのオーガナイズ力にまだ不足があったとし、90分を通してインテンシティを維持するためには選手の根性に頼るだけでなく、戦術的な工夫が必要と語った。また、ジェフ千葉が後半に見せたインサイドハーフを使った効果的なパス展開に対し、大宮のセンターバックが勇気をもって前に出きれなかった点も改善すべきと指摘した。
ジェフ千葉、逆境からの戦術的修正と精神的立て直しを証明
立ち上がりの早い失点により難しい状況に置かれたジェフ千葉だが、GK田中桃子は前半のプレスの激しさを振り返り、「相手のインテンシティの高さと速さに押された」と正直に語った。さらに、デビュー戦であることやホーム開幕の緊張も、前半のリズムをつくれなかった要因と分析した。しかしハーフタイムでの修正が大きな転換点となった。カルメレ・トレス監督は、選手たちが“素晴らしいリアクション”を見せ、インテンシティを落とさずに戦い続けたと高評価。前半のビルドアップや攻撃の進行を修正し、選手自身が自分たちを信じ、思い切ってチャレンジできるようになったことで、後半のリズムが一変したと述べた。
耐えて追いついた—66分に北沢明未が同点ゴール
そうした流れの中、後半66分にジェフ千葉FW北沢明未(背番号84)が見事な同点ゴールを挙げ、試合を振り出しに戻した。北沢選手は「勝利が最善だったが、負けずに勝ち点1を得られたことはリーグ戦において非常に価値がある」とコメント。田中選手も「チーム全体がハードワークし、自分たちの目指すサッカーを示せた」と満足感を示し、「追いついたことはチームとしてプラスであり、次につながる」と前向きな声を残した。さらに、「アグレッシブで守備範囲の広いキーパー」としてプレーする自覚も明かした。
試合を振り返って:両チームの課題と収穫
この一戦は、RB大宮の立ち上がりの猛烈な攻撃と決定力の不足、そして、ジェフ千葉の逆境からの戦術的修正と精神的な立て直し能力が際立った。RB大宮はインテンシティ高い攻撃を展開したものの、得点力向上が今後の課題として浮き彫りに。ジェフ千葉は苦しい状況を巻き返す強さを見せ、体力、守備ブロック、個々のチャレンジという三点を掲げる今後の成長への手ごたえを掴んだ試合と言える。
取材:TomoyukiNishikawa/SportsPressJP
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