ニールセン監督はE-1選手権を非常に楽しみにしているという。今大会は、新たな選手の発見や、既存の選手の質をさらに高める機会になる。今後の主要大会で日本が成功を収めるためには、より多くの選手プールが必要であり、その点でもE-1選手権に期待を寄せている。
選手選考基準については、スペイン戦とE-1選手権で異なるアプローチを取るという。E-1選手権ではWEリーグの選手から選んでおり、日本代表のプレースタイルにどれだけフィットするかを基準にしている。シーズン中にE-1を念頭に多くの選手をスカウティングし、リストを作成した。WEリーグの選手が海外のプロ選手の助けなしに、自分たちの能力を示す良い機会だと捉えている。選ばれた全選手が、チームのプレースタイルに合う個々のスキルを持っていると確信している。選手がどれだけ勇敢に自分の強みを最高の形で表現できるかを見たいと述べた。今回のグループの約半分は既に日本代表に選ばれた経験があり、チームコンセプトに馴染みのある選手たちで構成されている。彼女達の経験と、新しく加わった選手の持ち込むものを合わせることで、非常に良いチームができると考えているという。
中盤に選ばれた大澤、北村、吉田の3名の初招集選手について、監督はシーズン中の良いパフォーマンスが選考理由であると説明した。彼女達はそれぞれ異なるタイプの選手であり、既存の中盤グループを補完し、新たな要素を加えられる選手だと見ている。特に、彼女達のパス能力、特に「1つのラインを越えてパスを出し、動く」能力に感銘を受けたと言う。これはチームのプレースタイルにとって不可欠な要素であり、前線の選手に質の高いパスを供給し、多くのゴールを生み出すことを期待している。
山本選手と浜田選手の選考理由についても言及があった。山本選手はブラジル遠征で初招集された際、その姿勢が非常に印象的だったという。最初は緊張が見られたものの、日を追うごとにリラックスし、パフォーマンスも向上した。彼女はパワーとスピードがあり、サイドで違いを生み出せる選手だと評価している。多くのポジションをこなせるマルチな選手であり、ブラジル遠征ではサイドバックでの起用時間が多かったが、今回はその攻撃力を生かし、より前線での起用を検討している。ただし、最終的な起用ポジションはトレーニングや試合を通して判断するとした。
浜田選手は通常サイドバックだが、今回はフォワードとしてリストアップされている。監督は、選手がフルバックをやるか、ウィンガーをやるかといったポジションに固執していないと述べた。日本のプレースタイルでは、フルバックには攻撃性が求められ、ウィンガーには守備力が求められるため、サイドバックとウィンガーの役割が相互に補完し合うことが多い。以前のブラジル遠征で、普段サイドバックをしない選手(例としてフランクフルト所属の千葉選手)をサイドバックで起用し、成功した例を挙げている。これは、チームスタイルを考えた時に、ポジションにとらわれず、両方の能力を持った選手を使いたいという意図があるためだ。
E-1選手権の初戦のスターティングラインナップは、まだ決定していないと明言した。WEリーグは現在オフシーズンであり、選手たちは新シーズンへの準備段階に入ったばかりであるため、選手たちのコンディションを見てから最終決定すると述べた。監督はいくつかのアイデアを持っているものの、各ポジションに複数の選手がおり、多くの選手が複数のポジションをこなせるため、様々なスターティングラインナップが考えられるという。ただし、監督が指揮を執って以来、これまでのキャンプに毎回招集されてきた選手たちには、初戦でチームを引っ張っていくことを期待しており、彼女達が中心となってチームをまとめ、良いサッカーを最初から展開できるよう願っている。
プレースタイルの適応について、スペイン戦とE-1選手権(アジアのチーム)では戦い方を変える部分があるかと問われ、監督は相手によって適応すると答えた。ブラジル遠征での1戦目と2戦目の違いを例に挙げ、2戦目では相手への対応が功を奏し、勝利のチャンスがあったと述べた。スペインはボールを保持し、試合を支配したいチームだと認識しており、日本もボールをキープし、いつ攻めるかをしっかり見極めて戦いたいとしている。一方、E-1選手権の対戦相手は、比較的カウンターアタックを重視するチームが多いと予想している。そのため、チームとしてはカウンターアタックに注意しながら、いつ前に攻め込むかを意識してプレーしていくという。選手たちは既にいくつかの遠征を経験し、お互いの理解が深まっているため、監督が「下がる」と言っても、ただ下がるだけでなく、状況を見てプレッシャーをかけるといった戦術的な理解も進んでいると見ている。
WEリーグの中で、日本代表のプレースタイルに似た要素を持つチームとして、ベレーザ、浦和レッズ、そしてジェフ千葉の3チームを挙げた。ベレーザはポゼッションを高め、動きが多く、前線との絡みも多い点が類似しているという。浦和レッズも似た面があり、ジェフ千葉はボールをキープしてチャンスを作ることに重点を置いている。ただし、これらのチームのプレースタイルが代表選手選考の直接的な基準ではなく、個人の能力や試合への姿勢に基づいて選考が行われていることを強調した。
ディフェンダーで初招集された島田選手(広島所属)の起用ポジションや期待については、監督は明言を避けた。多くの選手が複数のポジションをこなせるマルチプレイヤーであるため、どの役割がチームに最も合うかを見極めたいと述べた。また、オフシーズン中の選手たちのフィジカルコンディションを考慮し、ワイドで起用するならスプリント能力、中盤なら別の能力といった形で、状況に応じた起用を検討していく。最も重要なのは、選手たちがピッチ上で何を発揮できるかを見ることだとしている。全選手に自分を示すチャンスがあり、出場時間はフィジカルコンディションに依存するという。
新しく招集された選手たちへの期待について、監督はまず、彼女達が安心して、そして勇敢に自分らしさを発揮してほしいと語った。彼女達全員がWEリーグで優れた能力を示しており、代表チームの環境でそれを再現できるか、そして大会中も冷静さと集中力を保てるかを見たいという。今回の招集は、彼女達が「輝く」機会というよりも、チームに何を提供できるかを示す機会であると考えており、勇敢なプレーを通じてチームに新たなものをもたらすことを期待している。大会終了後に、それらの要素をしっかりと評価していくという。
監督はチームの将来に非常に期待しており、良い方向に進んでいると確信している。スペインのような世界の強豪や、E-1でのアジアのライバル(中国、韓国)と戦う際には、サポーターの皆さんの応援が不可欠だと訴えた。皆さんに興奮できるような素晴らしいサッカーを提供したいと考えており、引き続きの応援を呼びかけている。WEリーグ側からも、E-1選手権が各クラブの準備期間と重なる中で複数の選手を派遣してくれたことへの感謝が述べられ、WEリーグと共に東アジア大会での優勝を目指して頑張りたいという意向が示された。
(C) SportsPressJP
0コメント