チーム自体がスターだ ニールセン監督

なでしこジャパンが今月27日にスペインのマドリードで挑む国際親善試合に向けて、注目すべきポイントが明らかになった。JFA女子委員長の佐々木則夫とニルス・ニールセン監督が出席したメンバー発表会見で、この一戦に込められた戦略的意図が語られた。


今回のスペイン遠征は異例の18名という少数精鋭での挑戦となる。本来なら2試合を組みたかったが、ユーロ2025開催時期と重なる中で実現したのが1試合のみという厳しい条件だ。しかし、ランキング2位の強豪スペインとの対戦は、なでしこジャパンの現在地を測る絶好の機会でもある。 


ニールセン監督の選手選考には明確な狙いがある。多くのレギュラー選手がオフシーズンに入っている中、現在もシーズン中のアメリカリーグ所属選手を多数招集した。監督自身が「彼女たちのプレーをより見たい」と語るように、新たな可能性を探る意図が込められている。 


対戦相手のスペインについて、ニールセン監督は「おそらく世界で一番のパスチーム」と評価し、前回のオリンピックでは75%ものポゼッションを握られたことを振り返った。今回の目標として日本自身のポゼッション率向上を掲げ、ボールを奪った際のカウンターアタックも積極的に試すことを明言している。 


対戦相手のスペインについて、ニールセン監督は「おそらく世界で一番のパスチーム」と評価し、前回のオリンピックでは75%ものポゼッションを握られたことを振り返った。今回の目標として日本自身のポゼッション率向上を掲げ、ボールを奪った際のカウンターアタックも積極的に試すことを明言している。 


キャプテンに就任した長谷川唯にとって、実戦でのキャプテンシーを発揮する初めての舞台でもある。ニールセン監督は「キャプテングループ」というアプローチを導入し、一人に重責を負わせるのではなく複数人で責任を分担する新しい試みを実践する。「このチームのスターはチーム自体だ」という監督の哲学が、2011年の優勝チームのようなチーム一丸となった戦いにつながるかが注目される。 


アウェイでの戦いについて、ニールセン監督はユーロ前の時期ということもあり「非常に熱いものになる」と予想している。満員のスタジアムでスペインを倒すには「90分間100%のパフォーマンス」が必要であり、シーズン中のアメリカリーグ所属選手への期待は特に大きい。 


一方で、オフシーズンのヨーロッパ組選手については現実的な判断も示している。監督は「100%のコンディションで来るとは期待していない」と率直に語り、状況に応じて45分や60分での交代も視野に入れている。そのため、スタメンにはアメリカリーグ所属選手が多くなる可能性が高い。


1試合勝負という制約の中で、なでしこジャパンがどのような戦いを見せるか。世界最強とも言われるスペインを相手に、新たな可能性を探る挑戦が始まる。来月の東アジアE-1サッカー選手権2025も控える中、この一戦が今後のチーム構築にどのような影響を与えるかも見逃せないポイントだ。 


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