藤田譲瑠チマ、最終予選デビュー戦を振り返り、次なる成長を誓う
日本代表のボランチ、藤田譲瑠チマが北中米ワールドカップアジア最終予選のラスト、インドネシア戦を前に、オーストラリア戦を振り返りながら、自分の成長への意欲を語った。
初の最終予選、感じた「悔しさ」と課題
オーストラリア戦は藤田にとって最終予選初出場。結果は0-1の敗戦で、「悔しかった」と率直な気持ちを吐露。「もっと自分のところでチャンス作れたら良かった」と反省点も挙げた。
試合では日本が約70%ボールを支配しながらも、相手の5ブロックの守備を崩し切れなかった。過去に何度も見られた日本の課題で、「日本対策」として定着しつつある。
試合中の判断と改善点
前半、相手GKが前に出て町田選手が抜かれた場面、藤田選手が素早くカバーに入り、ボールを奪った。これについては「チームとしてカバー意識を持てって言われてたから、それを全うした」と語った。佐野海舟選手との初コンビについては、「特に違和感とかは感じなかった」と話したが、相手が完全に守備に割り切ってきたため、「自分たちの仕事が少なくなった」と感じたという。後半、相手の運動量が落ちたことでスペースが生まれ、その空間を使い大橋選手らと連携して決定機を演出。前半は佐野選手が主に下がってボールを触っていたが、後半は藤田選手も積極的にボールに関わるようにシフト。「特に狙ったわけじゃないが、自分もボールに触る感覚が欲しかった」と語り、状況によって役割を変え、相手に対応させない意識があった。
具体的な課題として藤田選手は、自分たちの攻撃がもっとオープンな展開になればよかったと感じているという。あれだけ相手が守備を固めてきた状況では、無理やりでも1人を剥がして敵の守備バランスを崩すようなプレーが必要だったという。また、自分の持ち味である「飛び出してフリーマンとしてボックス内に侵入する動き」についても、今回は出し切れなかったという自己評価をしていて、「もっとやらなきゃいけない」と決意を示した。
後半に瀬古選手からのクロスに鈴木唯人選手が合わせた場面のような決定機をもっと多く生み出せれば、試合の流れを変えられたとも感じた。そうした場面を増やすには、縦パスを効果的に使うことが重要で、後半に数本入った縦パスは有効だった。「今後はそれをもっと意識してやっていければ」と語った。前半は縦パスの数が少なかったが、後半はスペースができた感覚があり、自然とその選択肢が見えてきたとも振り返った。
守備意識の変化
試合終盤、久保選手のパスミスから相手にチャンスが生まれかけたが、藤田はファウルで危機を止めた。「今年やってみて、そういうプレーは増えたと思うし、奪い切ればまた自分たちの攻撃に繋げられるから良かった」と守備面での成長にも手応えを感じている。また、試合最後の相手スローインでは、自分がロングスローを警戒する声を出していたのに裏を取られてしまった。「常にボールの状況を見ながらプレーしないといけないって思ったし、背中を向けてしまったのは自分の好きじゃないところ」と反省点も明確にした。ベルギーでの経験が守備の上達に繋がっていると実感している。
ワールドカップに向けて、さらなる高みへ
来年のワールドカップに向け、自分のポジションを確立するために「成長しないといけない」と決意を語る。特に「チャンスの場面にもっと絡んでいくことが必要」として、攻撃面での貢献を課題に挙げた。代表のボランチは佐野海舟、鎌田大地、遠藤航、守田英正、田中碧、熊坂光希、佐野航大と、まさに激戦区。その中で「巡ってきたチャンスにどれだけ違いを示せるか」が重要だと理解している。佐野海舟選手との連携についても、「バランスを取りながら」「横並びにならずに縦の段差を作る」というポジショニングなど、コミュニケーションを深めている。次戦インドネシア戦に向けて「強い思いで準備していく」と語る。
今回の悔しさをバネに、藤田譲瑠チマは代表での地位確立と勝利への貢献に向け、さらなる成長を目指している。
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