審判にラストワンプレーと言われ、これが最後なんだと思って蹴った。

皇后杯準決勝で劇的な同点ゴールを演出し、PK戦ではファーストキッカーとして冷静に成功させ、勝利に大きく貢献した下吉優衣選手が試合後の会見に応じた。

「急な交代にはなったけど、怪我で出られない選手がいる時のために準備していたので、試合に入れてよかった」と語る下吉選手。久しぶりのボランチでの出場についても、「試合を楽しもうと思って入りました」と前向きな心情を明かした。

監督からは「攻撃は自由にやっていい、守備ではカバーとチャレンジをしっかりするように」と指示を受けたといい、振り返ると「守備ではもう少しカバーの意識を持ちたかったけど、攻撃ではボールを前に運んだり、落ち着いて回したりできたのは良かった」と自らのプレーを評価した。

長めの出場となったことについては、「今まで出場時間が少なくて悔しかった分、今日はたくさん出られて楽しかった」と充実した表情を見せた。延長戦にも及ぶ激闘を振り返り、「ゴール前を粘り強く守って、最後の最後に得点を決められたのが良かった。PK戦まで持ち込めたのもチーム全体の守備と攻撃のおかげ」とチームの頑張りを強調した。

試合終盤のフリーキックの場面では、「審判にラストワンプレーだと言われて、これが最後なんだと思った。ファーの方を狙って蹴ったら、狙い通りのコースに行った。感触は良かった。」と振り返りった。

PK戦でファーストキッカーを務めたことについては、「知佳さんが全部止めてくれたので、あまり緊張せずに蹴れた」としながらも、「狙った通りには蹴れたけど少し危なかった」と振り返る。順番は事前に監督が決めており、蹴る前には「思いっきり蹴れ」と言われていたと明かした。

次戦に向けては「決勝戦の気持ちで戦って、絶対に優勝したい」と力強く語った。また、藤枝順心高校の優勝についても触れ、「順心が優勝したのを見て、自分もタイトルを取りたいと思った」と刺激を受けた心境を明かした。