前橋育英が粘る東福岡を振り切り決勝進出
後半の怒涛の攻撃で逆転勝利、2017年度以来の決勝へ
国立競技場で行われた第103回全国高校サッカー選手権準決勝。東福岡高校は前橋育英高校と対戦し、1-3で敗れ、9大会ぶりの決勝進出を逃した。福岡県予選から7試合560分続いた無失点記録も、この試合で途絶えた。
試合開始から主導権を握った東福岡は、前半11分に待望の先制点を挙げる。MF塩崎響が右サイドから送ったグラウンダーのクロスを、FW伊波樹生が右足で合わせ、ゴール左隅に滑り込ませた。監督の指示通りの展開から生まれた理想的な先制点だった。その後も東福岡は、県大会から続く鉄壁の守備を披露。前橋育英のエースFWオノノジュ慶吏を複数人で徹底マークし、山禄・大坪のCBコンビを中心とした堅守で相手にシュート1本も許さない完璧な前半を演出した。
しかし、後半開始早々に試合の流れは一変。後半3分、エリア前でのボール奪取から前橋育英FW佐藤耕太が同点ゴールを決め、東福岡の長きにわたる無失点記録が途絶えた。その6分後、オノノジュの左サイドからの攻撃から佐藤が見事なシュートを決め逆転。さらに後半13分には、途中出場のMF白井誠也がオノノジュとの連携から追加点を挙げ、前橋育英が試合の主導権を完全に掌握した。
東福岡も諦めることなく反撃に出る。MF稗田幹男ら5人を投入し、システムを3バックに変更。柴田のクロスや稗田のロングスローでチャンスを作るも、前橋育英GK藤原優希の好セーブもあり、得点を奪えないまま試合終了の笛を迎えた。
試合後、東福岡の平岡道浩監督は“後半に相手の勢いを止めきれなかったことは私の力不足”と語りつつ、“この4強入りは1、2年生の意識改革につながる大きな財産となった”と前を向いた。一方の前橋育英・山田耕介監督は“1週間のインターバルで怪我人の調整ができ、御殿場での調整も功を奏した”と勝因を分析した。
前橋育英は2017年度大会以来となる決勝進出を決め、栄冠への大きな一歩を踏み出した。
Photo by HiroshigeSuzuki/SportsPressJP
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