1月4日、第103回全国高校サッカー選手権大会の準々決勝が行われ、前橋育英が堀越を1-0で下し、国立競技場への進出を決めた。試合は一進一退の攻防が続いたが、55分に前橋育英のエース・オノノジュ慶吏が3試合連続となる4得点目を決め、勝利を掴んだ。
前橋育英の山田耕介監督は、コンパクトにしてインテンシティのある連動性で試合を進めることをチームに指示したと語った。オノノジュ慶吏の決勝点については「決めたが、それ以外は何もない」としながらも、彼の守備での貢献、特にプレスバックを評価している。オノノジュの成長については、サッカーに対し真摯に向き合うようになった点を挙げた。チーム全体のボール保持については、まだ体の状態が100%ではない選手もいるため、1週間で調整が必要だと述べている。試合プランとしては、相手がオーソドックスなサッカーをしてくるため、前橋育英らしいサッカーをすることを意識したという。無失点での勝利は大きく、前橋育英のサッカーで勝つことを目指した。次の国立競技場での試合に向けて、体調不良や怪我人もいるものの、1週間の休みでコンディションを整えたいと述べた。チーム作りについては、難しい1年だったが、あと2回同じチームで試合ができる機会を大切にしたいと語った。
決勝点を挙げたオノノジュ慶吏は、得点場面について「運良く転がってきたボールをインサイドで空いているところに蹴った」と振り返る。ハーフタイムに監督から1点を決めれば勝てると言われていたため、自分が決められて嬉しかったと述べた。今大会で4得点目となるが、総得点にはこだわらず、チームの勝利に貢献するゴールを目標にしていると語った。自身の成長については、寮生活を通して人間的に成長したと感じており、当たり前のことを当たり前にできるようになったと語った。ゴールを重ねるごとにストライカーとしての責任感が増し、ゴールへの執念も強まったという。目標とする選手には、得点力の高いレバンドフスキを挙げ、試合前に彼の動画を見てイメージトレーニングをしている。守備についても、チームのために走る意識が高まったと述べている。国立競技場への思い入れも強く、その舞台で勝つことを目標にしている。
一方、敗れた堀越の竹内利樹人キャプテンは、周りからの期待と実際のギャップを見返したかったと語る。今年のチームは、春から負けが続いていたが、ここまでの道のりに自負があるという。試合の強度については、練習試合を通して慣れてきたため、驚くことはなかったと述べている。最後の選手権については、あまり楽しめなかったと本音を漏らし、世間の目が気になり、堀越は格上に勝てないという結果になってしまったと悔しさを滲ませた。しかし、3年間を振り返り、堀越でなければ成長できなかったと語り、先輩たちの背中を見て、理想のキャプテン像をイメージできたと述べている。
堀越の三鴨奏太は、チームとしてやってきたことを出せずに終わってしまったと述べ、3年生に申し訳ないと語った。相手にかなりケアされていたことを明かし、前半はボールを受けられず、ハーフタイムに中盤で受けるように指示されたものの、縦に速いゲーム展開になってしまい、自分の良さを発揮できなかったと悔やんだ。相手の守備については、右サイドバックのフィジカルの強さや、空中戦での差を感じたと語っている。
今大会を振り返り、自分の名を全国区にするのが目標だったと述べ、ここから自分の力を証明するために、これまで以上に集中してやっていきたいと語った。また、来年に向けて、この経験をどう落とし込むかが自分の役割だと考えており、チームとして成長し、この舞台に戻ってきてベスト8の壁を超えたいと語った。大舞台でプレミア勢と対戦した経験は楽しかったものの、結果を出せなかったことを反省し、成長して違いを出せる選手になって帰ってきたいと語った。1年後には、ベスト8以上の結果を求め、経験を下の代に伝える責任があるとも述べた。良い選手ではなく、手が付けられないような選手になって帰ってきたいと強く語った。
取材:石田達也
Photo by HiroshigeSuzuki/SportsPressJP
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