国立の芝を踏んだ時、ここでプレーすると誓った

流通経済大柏が、第103回全国高校サッカー選手権準々決勝で上田西に8-0で圧勝し、6大会ぶりとなるベスト4進出を果たした。試合は、前半から流通経済大柏が圧倒的な攻撃力を見せつけ、山野春太、和田哲平、亀田歩夢がそれぞれ2得点をあげる活躍を見せた。守備面でも相手のシュートを2本に抑え、クリーンシートを達成した。

試合後、流通経済大柏の榎本雅大監督は、選手たちが試合に落ち着いて臨めたこと、そしてチームの「流経魂」であるチャレンジ精神を発揮できたことを評価した。

また、山野選手の得点については、彼個人の力だけでなく、チーム全体の連携の賜物であると語っている。さらに、亀田選手の2得点は、日頃の練習の成果であると述べ、選手たちの準備力やコミュニケーション能力の高さを称賛した。

監督は、国立競技場での試合に向けて、相手によって戦い方を変えるのではなく、自分たちらしく戦うことを強調した。また、選手たちの成長を実感しており、自身もその成長についていけるか心配だと述べている。


山野春太選手は、先制点の場面を振り返り、積極的に背後を狙い、スピードに乗った状態でゴールを流し込めたと語った。大量得点については、試合前から予想していなかったものの、立ち上がりから集中し、良い時間帯に得点できたことが勝因だと分析した。


また、自身の調子の良さについて、体のキレを意識し、誰よりも準備をしている自信があると述べた。「開会式で国立競技場の芝を踏んだ時から、ここでプレーするぞと思った。ベスト4に入り、来週、国立競技場でプレーするのは幸せなこと。そこで結果を残せるよう良い準備をしたい」といい、次の国立競技場での試合では、得点王を目指すと意気込みを語った。


一方、上田西の白尾秀人監督は、試合の立ち上がりでの失点が敗因だとし、選手交代のタイミングが遅れたことを悔やんだ。また、会場の雰囲気にのまれてしまったことも敗因の一つだと述べた。前半6失点という結果に対して、ハーフタイムには選手たちに「引かないで、もう一つ前に出て1点を獲りに行くこと」を指示した。試合後には、選手たちに「胸を張って上田に帰ろう」と語りかけた。また、流通経済大柏の榎本監督との会話で、守備が甘かったことを認め、大澤(英雄)先生の回復を祈ったと述べている。

上田西のキャプテンである鈴木悠杏選手は、流通経済柏との対戦を通して、相手との強度やスピード感の違いを痛感したと語った。また、試合では自分らしさ、上田西らしさを表現しようと努めたが、個々の力で負けてしまったと反省した。ベスト8という成績については、上田西に来て良かったと述べ、個人としても成長できた3年間だったと振り返った。

取材:石田達也

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