上野真実、決勝点で勝利を呼び込む進化を見せる
33分、ペナルティーエリア内でわずかなスペースを見つけ飛び込み、左足を振り抜き決勝点を決めた上野真実。攻守両面でチームをけん引し、この試合のプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた。紫の背番号9は進化を続けている。
試合後、上野はボールが来た瞬間に迷わず打つと決めていたと振り返った。相手に当たったもののゴールにつながり、結果に満足していると語った。また、あのスペースを見つけたことについては、前回の皇后杯で監督に指摘されたことを踏まえ、意識していたと明かした。
試合中、立花選手のアクシデントによりポジションを右に回った場面についても、外に入りすぎないよう指示を受けていたため、上手く対応できたと振り返った。
チームで掴んだ勝利への想い
前回の皇后杯決勝では得点を挙げられず、悔しい結果に終わった上野だが、今回のゴールと優勝について「みんなが繋いでくれたボールだったので、結果につながったことが良かった」と話した。また、怪我人が多い状況での優勝について、シーズン開始前から掲げていた連覇の目標をチーム全員で成し遂げられたことを喜んだ。
復帰への道のりと次なる挑戦
昨シーズン、怪我の影響でプレーできなかった悔しさを乗り越え、全力でプレーできるコンディションを整えることを最優先に取り組んできたと語る上野。今回の皇后杯では、先制点を許さない守備や前からのプレスをチーム全員で共有し、試合に臨んだという。
試合の決勝点については、藤生選手の個人技によるパスに反応し、スペースに入れたことが成功につながったと述べた。
クラシエカップ連覇と強豪撃破
クラシエカップの連覇については、「自分たちしかできないこと」とし、目標を達成したことに喜びを示した。また、リーグ後半戦に向け、レッジーナらしいサッカーを見せる意気込みを語った。強豪のI神戸を破っての優勝については、3強と呼ばれるチームに引かず前に進む姿勢を全員で共有した結果だと強調した。同時に、さらなる結果を求めて取り組まなければならないとし、相手の隙を突くプレーの重要性を挙げた。
改善点と今後の展望
得点以外のパフォーマンスについて、球際の強さや1対1の対応がまだ足りないと感じていると自己分析。目の前の相手に負けないことや、攻撃で相手の逆を取る動きを増やす必要性を感じていると述べた。後半、守備を強化して5枚にシフトした際も、守りに入りすぎず下がり過ぎないことをチーム全体で共有していたと語る。相手の攻勢に対して粘り強い守備とカウンターを武器に戦い、チーム全員の集中力が結果につながったと評価した。
なでしこジャパンへの意欲
新監督のもとでのなでしこジャパンへのアピールについて、まずはチームで活躍し結果を残すことが最優先だと語った。「活躍することで見てもらえる」とし、選ばれるために全力を尽くす決意を見せた。
上野真実の成長はとどまるところを知らない。チームの勝利を支える中心選手として、さらなる進化に期待が高まる。
取材:石田達也
Photo by TomoyukiNishikawa/SportsPressJP
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