絶望の淵で自ら踏み出した“小さな一歩” 阿部知里

阿部知里さんは、東京パラリンピック出場や2024年の日本選手権で第3位に輝くなど、パラフェンシングの世界で活躍する一流アスリート。本業はフルタイムの看護師で、がんゲノム医療のコーディネーターとして患者やその家族に寄り添っている。30歳の時、脊髄の病気が悪化し車いすの生活になった。

徐々にふさぎ込むようになった阿部さんに光を与えたのは、絶望の淵で自ら踏み出した“小さな一歩”だった。心も体も少しでも自由になりたくて足を踏み入れたパラスポーツの世界。「どうせやるなら、パラリンピックを目指してみよう」という言葉に背中を押され、フェンシングに挑戦した。


彼女は「目が悪い人が眼鏡をかけるのと、足が悪い人が車いすを使うのは変わらない」「"もうダメだ"と思うことがあっても、小さな一歩を踏み出せば、その先にはきっと道がある」という。歩けなくなってからの人生の方がさらに豊かになったと感じているという阿部さんは、2026年のアジア競技大会を次の目標にしている。

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