世界パラ陸上(神戸) 男子1500m 車いすでライバルの佐藤友祈を倒して優勝したマキシムカラバン
1500メートル種目が初めての競争相手との戦いだったので本当に素晴らしかった。コーリングルームでは少し緊張していた。「うまくできるだろうか? ついていけるだろうか?分からない」と思っていた。そしてスタートの合図が鳴ると、「大丈夫、できる。相手についていけるから、相手の後ろをついていき、そしてチャンスが来たら自分のペースで走れば良い」と思った。
300メートル残っている地点で相手が苦しみ始めたのを見て、「これが私の強み、400メートルだ」と思い、そこから追い上げ始めた。そしてゴールして金メダルを獲得した。スポーツではいつどんな状況が起こるか分からないから、あらゆる事態に備える必要がある。
私はたくさんの状況に備えていた。レース序盤は相手の後ろをついていき、風除けになってもらう作戦を取った。そしてチャンスが来たらそこから追い上げた。タイムについてはあまり気にしていなかった。これは世界選手権大会だから。100m、400m、1500mで3種目に出場したが、タイムよりも金メダル獲得を目指していた。タイムは良くなればいいが、第一目標は優勝することだった。
次はパリパラリンピックの準備だが、1月から家を離れていたので、ひと休みしてから本格的に調整に入る。少し休息を取ってから、パリに向けてますますレベルアップできるよう練習に没頭する。ベルギーではパリ大会で使用される同じ種類の新しい競技場で練習している。自宅から1時間足らずの場所なので、行きやすく練習に専念できる環境にある。競技場が同じでなくても、きちんと準備をすれば十分だと思う。スタート合図のタイミングを体に覚えさせることが重要で、大会で初めてのことをするのではなく、それまでに練習しておく。
パリ大会の目標は、400mで金メダル1つを獲ることだけ。1500mは出場しない。相手の選手が強すぎて尻身になってしまう可能性が高いので、そこまで傷つきたくない。
今日は相手選手に全力で先頭を引っ張ってもらい、私はその後ろ風除けに付き、最後に追い抜く作戦を取った。レースでは先頭を走る選手がほとんどの力を使うので、後続は少ない力でついていけるのだ。適切なタイミングで先頭に出て、ゴールまで自分のペースで走れば勝てると確信していた。相手の動きをよく読んで、状況に合わせて柔軟に対応することが大切だ。トレーニング方法の詳細は控えさせてもらう。ベルギーチームの強化の秘密だからだ。
Photo By Kohei Maruyama/SportsPressJP
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