WEリーグ優勝争いの行方を左右する大一番は、首位INAC神戸レオネッサ(I神戸)に軍配が上がった。2025年11月8日、浦和駒場スタジアムで行われたSOMPO WEリーグ第13節、2位・三菱重工浦和レッズレディース(浦和)との直接対決は、I神戸が2-1で勝利した。
前半、I神戸は成宮唯のゴールで先制。
後半に入ると浦和が高橋はなの得点で追いついたが、試合終了間際のアディショナルタイムに水野蕗奈が勝ち越し弾を決め、激戦を制した。この結果、I神戸は勝点を34に伸ばし、2位浦和(勝点29)との差を広げて優勝へ大きく前進した。
■ 堀監督「最後にやられたのが残念」
敗れた浦和の堀孝史監督は、「お互いの持ち味を出しながらいいゲームができた」と振り返りつつ、「追いついたものの、最後に入れ返されてしまったのが非常に残念」と悔しさをにじませた。試合の入りについては「相手がパワーを持ってきた場面でも、もう少し勇気を持ってやれたのでは」と反省。成宮唯への守備対応については「個人を抑えるというより、全体をコンパクトにして自分たちのスタイルで臨んだ」と説明した。
攻撃面では、立ち上がりの相手のプレッシャーに対し「サイドを変える際の動き直しやポジションの取り直しがもう少し必要だった」と課題を挙げた。また、「裏を取る動きをもう少し増やしてもよかった」と、相手のハイプレスへの対策不足を認めた。
途中出場したタンチュリエ・ローリーについては「ラストパスを出したり、裏を狙ったりする意図を持って投入した」と評価を口にした。
■ 宮本監督「プレッシャーを力に変えた」
一方、勝利したI神戸の宮本ともみ監督は、首位攻防という重圧の中で「プレッシャーを力に変えて、自分たちのやりたい守備と攻撃ができたのが嬉しい」と喜びを語った。「浦和には素晴らしい選手が揃っているが、その良さを出させない守備ができた」とチームのハードワークを称賛。今週はビルドアップの改善にも取り組んできたといい、「相手のプレスを回避する練習を重ねた結果、同じ絵を描きながら判断できるようになった」と成長を実感した。さらに「私たちの武器は前線からのプレス。その役割をみんなが迷わず遂行してくれた」と胸を張る。
18歳の太田美月と金月夏萌の若いDFコンビについても、「年齢に関係なく、チームの中心として力になってくれている」と信頼を寄せた。試合終盤、相手に背後を突かれてラインが下がった場面については、「前半で終わってもいいからやり続けろ」と指示を出していたと明かし、「90分間、怖がらずコンパクトに戦い抜いてくれた」と選手たちを称えた。そして、決勝点については「みんなの思い、魂が詰まった素晴らしいゴールだった」と満足げに締めくくった。
この勝利でI神戸はリーグ戦6連勝。11勝1分1敗の勝点34で首位を独走する。敗れた浦和は連勝が途切れたものの、依然として2位をキープしている。
取材:JunkoSato/SportsPressJP
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