アレクサンドロワ「東京に戻ってこられて本当に嬉しい」

東京・有明で開催中の東レ パン パシフィック オープンテニス 2025(WTA500)大会4日目の23日には、第3シードのエカテリーナ・アレクサンドロワ(ロシア)が登場し、ジャクリネ・クリスティアン(ルーマニア)を6-1、6-2で下して準々決勝進出を決めた。大会前の会見では、東京でのプレーへの期待や、シーズン終盤に向けた思いを語っていた。


「再び東京に戻ってこられて本当に嬉しい。この大会でプレーできることにとても興奮している」とアレクサンドロワ。彼女は2年前にも有明でプレーしたが、昨年は出場できなかったという。「東京は大好きな街。雰囲気も人も素晴らしく、またここでプレーできるのが楽しみ」と笑顔を見せた。


今大会直前まで、中国・寧波(ニンポー)でプレーしていたアレクサンドロワは、気候の違いに驚いたと話す。「すべてが寧波とはまったく違うの。寧波はとても暑くて湿度も高かったけれど、東京に着いたら寒くて風が強く、しかも雨。まるで正反対の環境だったわ」。寧波から上海を経由し成田へ、さらに有明までの移動にはほぼ丸一日を要したという。「長い旅だったけれど、またこの大会に戻ってこられて嬉しい」と前向きな表情を見せた。


「今日、練習してみたけれど、中国のコートとは少し違っていて、東京のコートはより速い」とアレクサンドロワ。「ボールも違うけれど、数回練習すればすぐに慣れると思う」と順応への自信をのぞかせた。今シーズンは試合数が多く、選手にとって非常に長い一年となっている。実際、今大会ではすでに9人の選手が棄権している。選手の負担軽減について問われると、「正直、どうすればいいか答えるのは難しい」としながらも、「私は“どう乗り切るか”ではなく、シーズンを“旅”として楽しむようにしているの」と語った。「アジアスイングは長いけれど、新しい文化を体験できるのが楽しい。棄権を考えることなく、すべての大会でプレーできて幸せ」と笑顔を見せた。


今シーズン、アレクサンドロワはキャリア最高のグランドスラム成績を残し、4大会で決勝に進出するなどキャリアイヤーを過ごしている。その要因について「特定の決定的な瞬間があったわけではない」と前置きしつつ、「今年はクレーでプレーを楽しめたことが大きかった」と振り返る。「これまでクレーは苦手で好きじゃなかったけれど、今年はなぜか楽しく感じられたの。嫌いなサーフェスでも良いプレーができると分かって、自信がついた。それが他のサーフェスにもいい影響を与えたのだと思う」。


30歳にしてトップ10入りを果たしたアレクサンドロワ。成功の秘訣を問われると、「それは人それぞれ。誰にでも通用するアドバイスなんてない」と話す。そのうえで、「昨年末からイーゴリ・アンドレエフ コーチと一緒に取り組み始めたことで、私のプレーと考え方が大きく変わった」と語った。「彼の仕事の成果が今、しっかりと現れている。間違いなく、これまでで最高のシーズン、最高の年だと思う」と自信をのぞかせた。