フットサル日本代表、世界王者に善戦 2戦目で見せた粘りと成長

フットサル日本代表は、世界王者ブラジル代表との国際親善試合2連戦で0勝2敗と力の差を突きつけられた。17日の第1戦は0-4で完敗し、19日の第2戦では新井裕生が2得点を挙げる活躍を見せたものの2-3で惜敗した。通算成績は0勝1分22敗となり、高橋健介監督体制にとって初の国内戦は苦い結果に終わった。第2戦では終盤に1点差まで詰め寄る粘りを見せたが、序盤に立て続けに3失点を喫するなど、試合の入りで課題を残した。

ブラジル代表のマルコス監督は、スコア以上に内容は拮抗していたとし、日本の集中力と粘り強さを高く評価した。ブラジルはリードを奪った後に気の緩みが生じ、そこを日本に突かれたと分析。試合終盤に苦しい展開となったことを認め、日本の戦い方から学ぶべき点が多いと語った。ブラジルは世代交代を進めており、今回のチームの半数以上を若手が占める。守備の強化を重視し、攻撃だけでなくバランスの取れたチームを目指しているという。


一方の高橋監督は、満員の観客の声援がチームを支えたと感謝しながらも、悔しさを隠さなかった。第1戦の早い時間帯の失点、第2戦の立ち上がりの3失点が響いたと振り返る。フィジカルの差は明確で、技術面でもブラジルとの差を痛感したが、失点しても諦めずに戦う姿勢はチームの核として強調した。第2戦ではモビリティを活かした攻撃でボール保持の時間を増やし、背後のスペースを突く形が有効だったと手応えを得た。ただし世界と戦うにはそれだけでは足りず、押し込んで攻撃する形の構築が必要だと考えている。


守備面ではマンツーマンを基本としつつ、個の力とカバーリングで対抗する姿勢を維持。短期間でのシステム変更は行わず、現体制で強化を進める方針を示した。新井裕生のバイシクルシュートによるゴールは、チーム全体の粘りと会場の後押しが生んだ象徴的な得点となった。国内での代表戦が最後となった吉川智貴に勝利を届けられなかったことを監督は悔やみつつも、その献身的な姿勢がチームに与えた影響の大きさを語った。2026年アジアカップ、そして2028年W杯に向けて、日本代表の挑戦は続く。


Photo:HiroshigeSuzuki/SportsPressJP