南米の駆け引きに勝てるようになれば、世界一の確率が上がる

日本サッカー協会は10月2日、キリンチャレンジカップに臨む日本代表メンバー27名を発表した。パラグアイ、ブラジルという南米の強豪との連戦は、森保ジャパンにとって単なる強化試合ではなく「世界一」を目指す過程で避けて通れない試金石となる。


選考の変更点

負傷により三笘薫が招集見送り。さらに荒木隼人、菅原由勢、関根大輝、鈴木唯人、佐野航大、細谷真大も外れた。守田英正は所属先で復帰していたが、コンディション不足を理由に不選出。初招集は斉藤光毅。復帰組は谷口彰悟、中村敬斗、田中碧、相馬勇紀ら。鈴木淳之介、安藤智哉も再び呼ばれ、世代の広がりが見える。


発表メンバー一覧

GK:早川友基、大迫敬介、鈴木彩艶

DF:長友佑都、谷口彰悟、板倉滉、渡辺剛、安藤智哉、瀬古歩夢、鈴木淳之介

MF/FW:遠藤航、伊東純也、南野拓実、鎌田大地、相馬勇紀、小川航基、前田大然、堂安律、上田綺世、田中碧、町野修斗、中村敬斗、佐野海舟、久保建英、斉藤光毅、望月ヘンリー海輝、藤田譲瑠チマ


戦いの目的とブラジル戦の意味

森保監督は「勝利を求めながら選手層を厚くする」と語り、9月シリーズを経てここからは「世界への準備」と位置づける。特に南米勢との対戦は、技術や強度だけでなく試合運びや駆け引きに対応することが求められる。監督は「南米の駆け引きに勝てるようになれば、世界一の確率が上がる」と明言。単なる親善試合ではなく、日本が世界トップを狙うための道標とした。


選手起用と育成の視点

久保建英はメディカル判断で招集可能とされ、三笘薫は見送られた。経験の浅い鈴木淳之介らも積極的に呼び込み、代表の基準を体感させることで底上げを図る。初招集の斉藤光毅には攻撃の起点や仕掛け、守備での上下動に期待がかかる。大怪我から復帰した谷口彰悟には、試合を安定させる役割が求められる。選手起用ではクラブでの負担を考慮し、リスク管理を重視。代表戦後も選手が良い状態でクラブに戻れるよう配慮する。


チームの現状と目標

森保監督は理想の完成度を数値化しないが、チームのベースは70〜80%固まってきたと語る。負傷者は多いが積み上げは進んでいる。ブラジル戦で勝利すれば自信とサッカー人気の高まりに直結するが、勝敗にかかわらず、最後まで戦う姿勢が人々の力になると見ている。賢いプレーとは試合の流れを読み、相手を上回ることだという。練習公開は対戦準備を優先しつつ柔軟に判断。森保監督は「見せたい気持ちはあるがチーム事情を優先する」と述べた。


10月シリーズは、日本代表が世界トップに挑む上での重要な試金石となる。

取材:AtsuhikoNakai/SportsPressJP