敗戦も手応え 「ラスト5分をどう埋めるか」

2025年9月15日、ヨドコウ桜スタジアムで行われたWEリーグ第6節、セレッソ大阪ヤンマーレディース対日テレ・東京ヴェルディベレーザの一戦は、ホームのセレッソが強豪相手に互角の戦いを演じながらも、最後に突き放され 2-3 で敗れた。試合後、松田岳夫監督は「85分までは良かった」と選手たちの健闘を称えつつも、勝負を分けた終盤の戦い方に厳しい言葉を投げかけた。

「多くのサポーターが来てくれて、最後まで粘り強くゲームを進めることができた」と、まずスタンドに感謝を伝えた。試合内容については、先に失点しても追いつく粘りを見せ、ベレーザ相手に互角に渡り合った選手たちの奮闘を称えた。


しかし、勝負を分けたのは、その後のわずかな時間だった。「ラスト5分とアディショナルタイムに入った時間を含め、どこか頭の中で『よくやった』と自分たちで思ってしまった」。この気の緩みが、ボールへの寄せの遅れや、相手に自由にプレーをさせる原因となり、最終的な失点につながったと厳しい口調で語った。「85分戦えても残り5分戦えなければ、やはり勝ち点は手に入らない」と、チームの今後の大きな課題を指摘した。


それでも、ベレーザという強敵に対し、チームが力を出し切れたことは事実だという。「このチームのポテンシャルはこんなものではない」と語り、今回の結果を「悔しいと思って次につなげていく」ことが重要だと強調した。


古巣ベレーザとの対戦については、「個人的な感情は全くない」としながらも、昨年指導した選手たちの成長ぶりを肌で感じたようだ。「"厄介なチーム"と感じた」と話し、その上でどう戦うかを考えることが「個人的には非常にワクワクする」と、指揮官としての飽くなき探究心をのぞかせた。

守備面については、前節の大量失点を踏まえ、「失点しない」ことをテーマにトレーニングを重ねたことを明かした。選手たちはその成果をピッチで表現したが、最終的には「相手にイメージの部分で一つ二つ上回られた」と、駆け引きのわずかな差が勝敗を分けたと分析した。


最後に、「『惜しい』では勝ち点はもらえない」と、選手たちへ改めてメッセージを送った。「最後まで、最後の1分1秒まで諦めずに戦っていくこと。本当に倒れるまで戦ってほしい」。この悔しさを胸に、次なる一歩を踏み出すことを誓った。

Photo&TEXT:TomoyukiNishikawa/SportsPressJP