圧巻6発、王者が示した攻撃力と課題

2025年9月6日、味の素フィールド西が丘で行われた2025/26 SOMPO WEリーグ第5節で、日テレ・東京ヴェルディベレーザがAC長野パルセイロ・レディースを6-1で圧倒した。

前半10分に北村菜々美が先制し、17分には塩越柚歩が移籍後初ゴールを決め、2-0で折り返す。後半は長野が54分に菊池まりあの得点で一時反撃に出たが、67分に眞城美春が冷静な一撃を沈め再び突き放す。終盤には交代出場の樋渡百花が78分と80分に立て続けにゴールを奪い、試合を完全に決定づけた。最終的にベレーザが圧倒的なスコアで勝点3を手にした。

試合後、日テレの楠瀬直木監督は、チームのやってきたことが浸透してきた手応えを語りながらも、緩みが課題だと指摘した。前半で2点リードしたあとも、ディフェンディングチャンピオンとしてあるまじき隙を見せたと振り返り、日々のトレーニングから基準を上げる必要があるとした。6点を奪ったものの決して安心できる内容ではないとし、山本ら決定力を求められる場面で決めきれなかったことを課題に挙げた。GK野田については責任感と勇気を評価しつつ、ビルドアップ時の視野やフィード精度を高めればさらに武器になると述べた。長野の諦めないアグレッシブな姿勢を称え、学びのある一戦だったと振り返った。

一方、AC長野の廣瀬龍監督は、結果は悔しいとしながらも、守備に徹するだけでなくビルドアップや連動した攻撃を試みる姿勢を貫けた点を評価。前半早い時間の2失点が響き、決定機を決めきれなかったことが課題としたが、積極的にサイドに追い込み複数人でボールを引き出すプレーなど、トレーニングの成果が見られたことに手応えを示した。

王者と挑戦者、それぞれが収穫と反省を胸に次の戦いへ進む。


取材:JunkoSato/SportsPressJP