なでしこジャパンのニールセン監督が、来たるブラジル戦に向けたチームの現状と戦略について詳細に語った。過去の対戦相手とは異なるブラジルのプレースタイル、特に1対1の守備への対応が今回のトレーニングの焦点だったという。コロンビア戦で十分ではなかった「自分たちのフットボール」を取り戻し、試合の主導権を握ることが重要だと語った。
■ニールセン監督
『モメンタム』という言葉を扱ったのは、やはり勝ちたいからというのがまず第一。モメンタム(勢い)が相手チームにあるとなかなか勝つのは難しくなる。主導権を取るというのが、スポーツでは重要になる。勢いが相手にあった時は、どうやってそれを改善し、自分たちに流れるようにするかということが必要になる。そういった意味で今回『モメンタム』という単語を使って、メンタル面での取り組みを行った。
精神面の強化と選手の適応力
メンタル面についてもチームは着実に成長していると監督は評価する。小さなことの積み重ねが、選手の精神的な強さにつながっている。選手が物事を素早く理解し、それをピッチで表現する能力はチームの大きな強みで、選手たちは正しい道を歩んでいると確信している。ブラジル戦は、優勝候補である相手と戦うことで、さらにメンタル面を鍛える良い機会になるという。
選手選考に関しては、トレーニングやクラブでのパフォーマンスが好調な選手、そして自信を持ってプレーしている選手を優先する方針だが、全ての選手が素晴らしいトレーニングをこなしている。先発メンバーを決めるのは容易ではないが、全員がピッチで良い流れを作れるよう、交代も視野に入れて考えていく。
快適な環境とキャプテン体制
サンパウロの気候については、地元住民が寒くなると言うものの、グリーンランド出身の監督自身は寒さを感じていないという。食事も素晴らしく、チームの滞在は今のところ想定通りに進んでいる。試合でパフォーマンスを出すためにここにいるのであり、その点については問題なく進められていると述べた。
キャプテン体制については、すでにチームに決定が伝えられている。怪我で今回のキャンプに参加していない長谷川唯選手が将来のキャプテンであり、南萌華選手が副キャプテン、経験豊富な田中美南選手と熊谷紗希選手がサポートする体制だ。この4人は個人的にも選手としても非常に優れており、チームをより強くしてくれる存在だと監督は語った。長谷川選手と南選手のコンビは素晴らしいペアだと考えており、互いに補完し合ってチームを素晴らしいものにすると期待を寄せている。
ブラジル戦への期待とマルタへの賛辞
チームは現在良い方向へ進んでおり、これまでの代表活動でも良いプレーができていたと監督は感じている。前回のコロンビア戦では欠けていた要素もあったが、今回のトレーニングで自分たちの姿を取り戻しつつある。ブラジルでの活動では、プレー面だけでなくメンタル面にも取り組んでおり、ピッチ外でも様々な努力を重ねている。
対戦相手のブラジルは最近のアメリカ戦で2-1で勝利しており、独自のスタイルを持っている。日本がいかに自分たちの強みを活かして戦えるかが重要となる。監督自身もブラジルとの対戦を非常に楽しみにしている。そして、個人的な喜びとして、マルタ選手がブラジル代表に復帰したことに言及した。彼女がスウェーデンでプレーしていた頃からそのプレーを見てきた監督は、彼女を女子サッカー史上最高の選手の一人だと称賛し、再び彼女と対戦し、プレーする姿を見られることに喜びを感じているという。
(C) SportsPressJP
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