谷川萌々子 見ていて楽しいプレーをもっと見せていきたい

サッカー日本女子代表(なでしこジャパン)は、日本時間5月31日と6月3日に行われる国際親善試合でブラジル女子代表との2連戦に臨む。その試合の前に、代表メンバーの谷川萌々子選手がオンライン取材に応じ、現在の心境や今後の展望について語った。


今回の遠征では、自身の特長であるゴール前での決定力や、得点につながるプレーを積極的に発揮したいと語った谷川選手。2年後のワールドカップがブラジルで開催されることも踏まえ、今回の遠征が貴重な準備の場であるという認識を持ち、重要な時間にしたいと意気込んだ。 


自身の目標については、「チームに勝利をもたらす選手になりたい」と語り、そのためにハードなスケジュールの中でも戦い抜ける身体づくりの必要性を感じていると話した。また、この1年は海外クラブへの移籍や国際大会など、内容の濃い時間を過ごしたと振り返りながらも、「やらなければならないことはまだまだ多い」と、さらなる成長への意欲をにじませた。 


谷川選手がサッカーに本気で向き合う覚悟を決めたのは、中学からJFAアカデミー福島に入ったときだった。家族と離れ、厳しい環境で仲間と切磋琢磨する日々の中で、競技者としての意識が芽生えたという。技術はもちろん、人間性も問われる環境で育まれた「勝ちにこだわる姿勢」は、今の自分の基礎になっていると語る。全国から集まった仲間たちと過ごしたあの6年間が、自身の原点だ。 


ドイツのバイエルンへの移籍後は、より強度の高い環境でのプレーを求められ、当初はサイドでのプレーに取り組んだものの、思うような結果が出ず悔しさを感じることもあったという。それでも「強豪選手と日々練習できることで自信につながり、代表の場でも臆せずプレーできるようになった」と前向きに語った。 


また、7人制の大会で得点王とMVPに輝いた経験については、「楽しもうという気持ちで臨んだ結果、良い成績につながった。楽しむことの大切さを学べた」と述べた。特に小さいコートで積極的にゴールを狙う場面が増え、日本人選手としての持ち味も発揮できたと振り返った。印象的だったパリ・サンジェルマン戦でのトラップからのまた抜きシュートについても、「自然体で楽しんでいたからこそできた」と話し、結果的にファンを喜ばせるプレーができることを「一番楽しい瞬間」と語った。 


そのような活躍に対し、クラブ内外からも「すごいね」「アニメみたいだね」と多くの反響があったという。「見ていて楽しいプレーをもっと見せていきたい」と、自身のスタイルに自信を深めている。 


ブラジル戦といえば、昨年のパリ五輪でのロングシュートが記憶に新しい。その一発を機に、「相手のプレッシャー下でもシュートを打てる」と自信がついたと語る。また、利き足に関係なく両足でシュートを打てるスキルは、小学生時代からの習慣によるもの。コーチから両足を使うことの重要性を教えられ、日々の練習や父親との自主練習の中で自然に身についたという。 


次のブラジル戦に向けては、「フィジカルの強い相手に対して、正確な状況判断とプレーでチームに貢献したい」と意気込みを見せた。 


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