80分間相手を圧倒し続けること

コベルコ神戸スティーラーズが勝利を収めた2025年3月15日の試合後、デイブ・レニー監督と共同キャプテンの李承信選手が記者会見に登場し、チームパフォーマンスと今後の展望について語った。


レニー監督「一貫性あるプレーで勝ち点5を獲得」

レニー監督は試合を通じての一貫したパフォーマンスを高く評価。「風の影響を考慮した後半の戦略、質の高いオフロード、そして前進的なチャンスメイキング」が勝利の鍵だったと分析した。ペナルティで取り消されたトライについても「素晴らしいプレー」と称賛しながらも、「まだ100%のパフォーマンスには達していない」と成長の余地を指摘。「タフな大会で勝ち点5を獲得できたことは非常にポジティブ」と締めくくった。 


李承信キャプテン「80分間相手を圧倒できた成長を実感」 

李キャプテンは「良いスタートを切り、80分間相手を圧倒し続ける」というチームのテーマが実現できたことに手応えを示した。過去の試合での反省点を活かした成長を実感しつつも、「オフロードミスや状況判断の甘さでチャンスを逃した部分」を課題として挙げた。自身のプレーについては、スクラムハーフとの1対1での勝負やフィジカル面、ポジショニングの向上を自己評価した。 


若手選手の起用と成長 

スタメン起用されたフナキ選手とカミムラ選手について、レニー監督は1月からの取り組みを評価。フナキ選手の「アグレッシブさとタックル後の存在感」、カミムラ選手の「パス・キックの精度とラックへの到達スピード」を高く評価し、両選手の学習意欲とチームへの貢献を称えた。「今後もパフォーマンス次第でキープレイヤーになれる」と期待を示した。 


フィジカルバトルとチームの結束 

李キャプテンはフォワード陣のフィジカル面での支配力が勝利の原動力だったと強調。特に「レタリック選手を筆頭に、規律のところ、しっかり絡みに行けるところだったり、サイドラインはしっかり見極めようって話は出てた」と述べ、過去の試合から学んだ教訓を活かし、フィジカルバトルで相手を圧倒する姿勢を示したことが勝利に大きく寄与したと語った。特に、フォワード陣がフィジカルでドミネートし、バックスのダブルタックルやドミネート・タックルが多く見られたことが、チーム全体の成功につながったと評価した。 


今後の課題と展望 

勝利を収めたものの、監督もキャプテンもさらなる向上を目指す。レニー監督はパフォーマンスの一貫性、李キャプテンはチャンスを確実に仕留める精度を次のステップとして挙げた。翌日の「サラマンダーズマッチ」でも若手選手の活躍に期待を寄せ、チーム全体の競争意識を高めていく方針だ。   


Photo by Yasushi Obe/SportsPressJP