12/1 皇后杯3回戦、三重交通Gスポーツの杜鈴鹿で行われた伊賀vsハリマの試合。北村隆二監督は、序盤の状況について率直に語った。「入りが特別よかったかと言われたら、そうではない。でも選手が自分たちのやりたいことを表現しようとしていた」と振り返る。
ハリマの速い攻撃で失点を許したものの、監督は選手たちの冷静さを評価した。「慌てることなく90分、120分通してアグレッシブにチャレンジしてくれた結果、勝利につながった」。前半の噛み合わない部分については、「距離感のところや、普段の練習で意識してきたことをもう一度伝えただけ」と手堅い対応を明かす。
攻守における課題も具体的に指摘した。特に長いボールの使い方について、「長いボールが増えること自体は悪いことじゃないけど、そのボールに選手がもっと関わっていかなければならない。相手にセカンドボールを拾われてしまう時間があった」と分析。まだまだ改善の余地があることを示唆した。
神谷選手の120分出場については、「新加入だからというわけではない。出ている選手全員に期待している」と平等な視点を崩さない。高身長の29番ノ・ヘヨン選手については、「技術もあり、存在感のある怖い選手」と評価した。
後半は攻める機会が多く、チームは主導権を握っていたが、監督は前の試合の疲労も意識していた。「先週も120分戦っているので、消耗があったと思う。ハリマはカウンターを前半から狙っていた。こちらは前に出て、1発でやられるせめぎ合いだった」。
最後のPKについては、ノ・ヘヨン選手の自信を信じていたことを明かした。次節の名古屋戦への意気込みは、シンプルで力強い。「勝ちたい」。そして選手たちへの信頼を、「選手が戦ってくれることを信じている」と繰り返した。勝利の裏には、細かな戦術的調整と、選手一人一人の可能性を信じる監督の哲学が垣間見える試合だった。
取材:Tomoyuki Nishikawa / SportsPressJP
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