結果を出して存在感を出すしかない

■中村敬斗

――仕掛ける思い切りの良さでグイグイ行って流れを変えた。

負けている状態で入ったので、ゴールに向かって前へプレーしようと意識をした。


――それで2度3度切り返して中に侵入した?

カットインからのシュートは相手が中に密集していたので、できなかったが縦を意識した。三笘(薫)選手が、自分がフリーなる状態を作るように中にいてくれたことが良かったと思う。


――久保選手が、サイドで1対1はできたが簡単にクロスを上げすぎたと。中村選手のように中に入っていけば崩せるというヒントが得られたと言っていた。

ゴールにつながったシーンは切り込んだが、それ以外の部分はシンプルに低いボールのクロスを意識した。切り込む場面はあれだけだったのでゴールにつながった。でも久保選手にそう言ってもらえて嬉しい(笑)。


――そこで中に切れ込むのは本能的なもの?相手の状況?

1人を抜いて、2人目の時にカットインして打つか迷った。2枚目のディフェンダーが見えて、1人目に付いてこられるかと思ったが、縦のキックフェイントでかわして、上手く抜き切れたので良かった。


――オウンゴールにつながったクロスだけでなく、クロスの精度も素晴らしかった。

カウンターの場面で自分がトップスピードの状態でクロスに入る。(フランスリーグでは)より身体能力が高い選手が多い中でプレーをしている。日常の中で個の能力の高いレベルでやれているので、それが自分の中で成長している理由かなと思う。


――自己評価は?

かなり拮抗した試合で、ゴールに直結できるようなプレーができたのはすごい嬉しい。


――出場機会が限られている中で大事なところに絡んだが、中々試合に出られない期間はどういう考えを?

レベルの高い選手がいる中で、自分が出られないこと、出場時間が短いことは理解していたし、出た時には結果やゴールにつながるようなプレーをして存在感を出すしかないと思っていた。


――バーレーン戦とサウジアラビア戦では、シュートを外した後に、とても悔しそうな顔していたが。

バーレーン戦は大量得点の時に入り、相手も戦意を喪失している状態で、何とも言えないが、サウジアラビア戦では、伊東選手のクロスに早いタイミングで入りすぎた。自分自身に悔しさがあり、今日は左サイドから崩し、ゴールつなげられて良かった。


――引き分けで終わったが。

何とか勝ち点1を取れたので、ポジティブな勝ち点1だと思う。次につながったと思う。


――最終予選のプレッシャーもある中で堂々としていた印象だが。

最終予選のプレッシャーは特に感じていない。いつも通りの試合で負けている状態の試合に入る、そういう認識でしかなかった。

取材:石田達也 Photo:Suzuki Hirosige/SportsPressJP

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