女子バスケ準決勝 日本、激闘の末ウクライナに勝利し決勝へ

東京デフリンピック第9日、11月23日に大田区総合体育館で行われた女子バスケットボール準決勝は、日本がウクライナを62―57で破り、決勝進出を決めた。予選リーグでも対戦した両チームの再戦となったこの一戦は、終盤までもつれる大接戦となり、日本はシュートの不調に苦しみながらも、持ち前のディフェンスで勝利をもぎ取った。この結果、日本は11月25日の決勝でアメリカと対戦する。試合後、選手と監督は苦しい戦いを振り返り、次なる大一番に向けて決意を語った。

接戦を制した要因について、若松優津選手は「私たちが想定してたよりも結構厳しい戦いになってしまった」と語り、チームは「ずっと苦しかった」時間帯が長かったことを明かした。「シュートがやっぱり全員入らなかった」 「今までやってきた試合の展開と唯一違うところ」ところを乗り越えたディフェンスが勝因だったという。「ディフェンスはコンスタントにずっとハードにやり続けたが...そこが勝ち切れたところかなと思う」と述べた。また、会場の応援については「みんながこうやって盛り上げてくれて応援をしてくれたのが、コートからもよく見えた」と声援が届いていたことを伝えた。

決勝で対戦するアメリカについては、若松選手は「みんなそれぞれやっぱり大きくて、1対1で点を取る能力がある選手がすごくいる」と警戒感を示しつつ、決勝も「すごく厳しい戦いになると思う」と予想した。その上で、「いい時も悪い時も私たちができること、ディフェンスだったり、早く攻めるっていうのをやり続けて、金メダルを掴みに行きたい」と決意を述べた。


坂本知加良HCは、この準決勝を「初戦でやった時のウクライナとはやっぱり別物っていう感じだった」と評し、ウクライナが日本のエースに対する対策を練ってきたため、「全然最初やっぱりアジャストされてシュートが全然入れられなかった」と試合の難しさを語った。HCは今日の試合を「チームの状態としては非常に状態が悪かった」と認めながらも、「そこをしっかりディフェンスを頑張って最後まで頑張って勝ち切ったっていうのは本当に大きいと思ってる」と選手たちの粘りを評価した。


HCは、今日の勝利は「気持ちで。あと応援ですね。応援で乗り越えた」と総括した。

アメリカとの決勝戦に向けたポイントとして、坂本HCは「日本のいいところは、どこからも手は打てるところ」だとし、特に「春選手とか、センターと高い選手がアウトサイドのショットを打てるところが強み」と指摘した。アメリカは「全く違うチーム」 で、特に「23番のポイントゲッターが1人いる」ほか、「5番がゲームメイクするし、いい4番いる」と特定の選手への対策が必要だと分析。戦略としては、「いつも通り日本のしっかりとしたディフェンスからブレイク出せるような展開をして、あとこれだけ外したんで次は入れてくれると思う。3ポイントショット、日本チームの得意なところを活かしながら戦えればメダルが見える」と期待を込めた。


また、デフバスケにおける連携の良さについては、「とにかくコミュニケーションをしっかり取ること」 が鍵であり、「サインもそうですし、ちょっとした休み、時間が止まった時に、私ここ行くからという風に、コミュニケーションを取ってる様子があった」と、ミスが生じた時に「すぐに修正する力」が連携を支えていると説明した。

日本は、金7、銀6、銅16の合計29個のメダルを獲得している。


取材:JunkoSato/SportsPressJP