陸上・円盤投げの湯上剛輝が、この日の予選で55m14を記録し、無事に決勝へ進出した。デフアスリートとして日本記録(64m48)を持つ湯上は、予選を「技術的な調整の場」と捉えて臨み、試合後には地元の応援を力に決勝へ向かいたいと話した。湯上は先天性の重度難聴があり、デフリンピックなどの大会では補聴器や人工内耳を外して競技に臨む。
予選の投擲については、取り組んできた技術面や意識していたポイントに対し、「予選は確実に通過できると思っていた。7〜8割くらいは達成できた」と手応えを語った。決勝への課題については、「今日は左側のリードや目線を意識していたが、本番の1投目で少しずれてしまった。決勝ではそこをもっと修正したい」と、技術面での改善点を挙げた。
決勝で目指す記録は「理想的には65m」。湯上は「コンディションにもよるが、65mを投げる気持ちで臨みたい」と力強く語った。彼は今年4月に64m48の日本新記録を樹立している。会場の盛り上がりについては、「地元の力、応援の力はすごい」とコメント。聴覚障害者スポーツでは、手話を使って応援する“サインエール”があり、湯上も「決勝ではもっと応援されると思うので、その力を投げにつなげたい」と、応援を大きな後押しとして感じている。所属企業へのメッセージとして「予選は55mという結果でしたが、決勝では65mを目指して頑張りますので、応援よろしくお願いします」と感謝の気持ちを示した。
湯上は聴覚障害を「武器」と表現し、「障害があっても限界に挑み続ける姿を見せたい」と語る。デフリンピックでは金メダル獲得を目標に据え、大舞台に向けて意欲を燃やしている。
取材:JunkoSato/SportsPressJP
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