東レPPO(東レ パン パシフィック オープンテニストーナメント)で、園部八奏が待望のプロ初勝利を挙げた。多くの注目が集まる中、地元・日本でつかんだ初白星に、園部は喜びを噛み締めた。
試合後の会見で、「本当にすごい嬉しい。結構緊張はしてたけど、しっかり最後勝ち切れたのがすごい良かった」と笑顔を見せた。地元での勝利については、「日本で勝てて本当に嬉しい。日本の皆さんが応援してくれて、その期待に応えたい気持ちがあった。有明で勝てたのは本当に嬉しい」と声を弾ませた。
試合の立ち上がりについては、「大阪での反省はあったけど、別にプレーが悪かったわけじゃない。エネルギーも出せてたし、焦りはなかったと思う」と振り返る。ファーストセットの鍵となった第8ゲームでは、3-4からのブレイクが大きかった。「相手のセカンドサーブの時は、強気でポイントを取りに行くって決めてた。それを実行できたのがすごく良かった」と、自分の攻めの姿勢を貫いたことを強調した。
園部はこの試合で手応えを得たポイントとして、サーブとリターンの両面を挙げた。「サーブと次のショットで相手を押せてたのは大きかった。以前より成長してると感じる。リターンゲームでも相手にプレッシャーをかけ続けられたのも手応えだった」と、自信をにじませた。
長いラリーやデュースでの粘りについては、「サービスゲームでブレイクされたあと、意地でもついていこうと思ってた。気持ちで負けないように、サービスゲームはしっかりキープする意識だった。デュースでは相手も緊張してると思ったので、強気でプレーすることを心がけた」と語る。
多くの観客の前で堂々としたプレーを見せたが、本人は「いつもより緊張してた」と明かす。「日本での試合でたくさんの応援があったし、その期待に応えたい気持ちがあった。大会も大きくて、1回戦という舞台だから当たり前に緊張してた」と率直に話した。
そんな初勝利の裏には、海外での経験を通じて積み重ねてきた努力がある。園部は地元のテニスクラブのコーチに勧められて、盛田ファンドに応募したことをきっかけに、アメリカでの武者修行を経験した。「海外選手との対戦で、英語やコミュニケーション、自立心など、日本では得られない経験を積めた」と話し、その経験が今の強気なプレーやメンタルの土台になっている。
プロとして掲げていた「まず一勝」という目標を叶えた園部。緊張を力に変え、挑戦を糧にしてつかんだこの勝利は、まさに努力の軌跡を物語っていた。
この勢いのまま、彼女は次なるステージへと進んでいく。
取材:TomoyukiNishikawa/SportsPressJP
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