新体操イオン・カップ世界クラブ選手権第3日は12日、東京体育館で行われ、個人総合で6位につけた喜田未来乃(エンジェルRG・カガワ日中)が決勝前半2種目(ボール、フープ)を振り返った。
喜田はまず、2種目を通して大きなミスがなかった点を評価し、「2種目とも大きい落下ミスなくまとめられたことは良かったと思う」と安堵の表情を見せた。一方で、「落下はなかったけど、身体難度がやり切れなかった分があって、そこは多分ゼロになってるかなと思う」と課題も口にした。
ボールの演技については「緊張と“見せたい”という気持ちが強くなって、少しドタバタしてしまった。やりきれなかった部分があった」と反省。「5割くらいは出せたけどという感じ。怖がって点数につながっていないところがあった」と自己分析した。リスクを避けたことで難度を抑えた面もあったといい、「怖がらずにもっと点数が出る演技をしたいのに、ちょっと怖がって簡単な技を選んでしまった」と率直に語った。
一方、フープでは手応えを感じた様子だ。「フープは練習してきたことが達成できた部分が多くて良かったと思う。芸術点(Aスコア)も8点台に初めて乗れたので良かった」と笑顔を見せた。今大会については「ちゃんと出たのは多分初めて」と話し、世界選手権後に演技全体を見直して臨んだ初の大会だという。「世界選手権が終わってから演技全体を見直したので、それを発揮する初めての大会。挑戦したいという気持ちで臨んでいる」と意気込みを語った。
見直しの目的については「自分の持っている難度の質を出し切ることを目標にしたけど、全てが点数につながっているわけではなく、減点箇所も多かった。そういうところをなくすように練習してきた」と説明。「身体難度の持ち点を高くし、表現の部分も取り入れて練習してきた」と具体的な強化ポイントを挙げた。
後半2種目のクラブとリボンに向けても前向きだ。「明日も今日の緊張感を忘れずに、でもちゃんと切り替えて、自分の見せたい演技を出し切れるように頑張りたい。本当にいい経験として積んでいけるように」と力を込めた。クラブについては「ユニバーシアードや世界選手権で27点台を出したり、最近はやりきれていることが多い。それを自信にしつつ、カルメンの踊りなので女性らしさを出し切りたい」と語る一方で、「クラブは4種目の中で一番苦手」とも打ち明けた。リボンは「日本の美しい着物をテーマにした演技なので、そういうところをお客さんに伝えられるようにしたい」と表現面への意識を示した。
世界選手権での経験が、今回の演技見直しにつながったという。「世界選手権で自分が出てみて、点数や周りの選手との比較で、自分の弱いところや足りない部分を改めて感じた」と振り返り、「決勝に残る選手になるには演技全体の完成度を上げてやり切ること。そこが自分の課題」と冷静に自己分析した。
身長173センチという恵まれた体格を生かし、喜田は冷静に現状を見つめながら、後半種目に向けて静かに闘志を燃やしている。
取材:JunkoSato/SportsPressJP
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