ステフィン・カリーは悪いボールで暑い体育館でもシュートが入る

宇都宮ブレックスのジーコHCは、アルバルク東京との開幕戦を終えた会見で、試合の振り返りとチームの方向性について語った。

アルバルク東京の新アリーナでの開幕戦を制したブレックスだが、ジーコHCは「2年連続でブレックスが新スタジアムの開幕戦を務めることになった」と振り返り、昨季は千葉の新アリーナ、今季は東京の新施設で試合ができたことを光栄だと語った。試合内容については「いいエナジーとフィジカリティで挑めた」と手応えを示した。


チームの強みについて問われると、オフェンス面では「常に相手をアタックしてディフェンスをコミットさせ、味方にパスを出していいシュートを打つ」というチームバスケットの徹底を挙げた。ディフェンス面では「常にフィジカルに相手を簡単にプレーさせない」ことを意識していると説明。


昨季からの上積みについては、シーズン終了後ドバイ遠征やシンガポール遠征があり「お茶一杯飲む時間しかないくらいしか休めなかった」としながらも、「優勝したからといって大きな修正は必要ない。一人一人の役割をより明確にして、そこを上達させていく」という方針を示した。


戦術面では、オフェンスとディフェンスを別々に考えるのではなく、ポゼッション単位で分析していることを明かした。「勝っているポゼッションも負けているポゼッションもある。一つ一つのポゼッションをディフェンス、オフェンスで見ていって修正していく」と詳細に語った。


開幕戦の重要性については、ケビンコーチから受け継いだ「いい習慣をつける」という哲学を引き合いに出し、「重要な試合と言ってしまったら、重要じゃない試合もあるのかと見えてしまう。常に毎日いい習慣をつけていけば、どの試合でもうまくいく」と語り、全試合に等しく全力で取り組む姿勢を示した。


試合前のベンチでの様子について聞かれると、「自分では強く見えたとは認識していない。いつも通りコーチングしていた」とした上で、「アシスタントコーチに任せるところが多い。今日は梅津コーチのスカウティングが素晴らしかった。小さい体でこんな大きいスタジアムで頑張ってコーチングしている姿を皆さんに見ていただきたい」とスタッフへの信頼を語った。

新アリーナでのプレーについては、「ビジネス的には素晴らしいアリーナだが、バスケ的にはどこでやろうが関係ない」と断言。「ステフィン・カリーはめちゃめちゃ悪いボールで暑い体育館でもシュートが入る。自分はめちゃめちゃいい体育館でいいボールでシュートしても決められない。どこであろうがいいバスケをする必要がある」と、どんな環境でもプレーの質を落とさず、集中して取り組む姿勢を語った。


連覇を目指すブレックスは、変わらぬチーム哲学と日々の積み重ねを武器に、新シーズンに臨む。


取材:JunkoSato/SportsPressJP