デフリンピック100周年まで100日

一般社団法人日本デフ陸上競技協会(横浜市、代表理事:佐藤將光)は、2025年東京デフリンピックの啓発を目的とした新ポスターを発表した。

「見えづらい障害」とされてきた聴覚障害を「見える衝撃」として表現するため、新進気鋭のフォトアーティストARISAK(アリサック)を起用。デフ陸上を象徴する日本発の「スタートランプ」をモチーフに、光のスタート合図とともに走り出す瞬間の疾走感を表現した。風を切る感覚が皮膚や鼓動を通じて伝わる様子を視覚的に描いている。


ポスターには同協会を代表する3選手、山田真樹、岡田海緒、佐々木琢磨が登場。100年の歴史を踏まえ、本大会のビジョンである「デフスポーツの魅力や価値を伝え人々や社会とつなぐ」「世界に、そして未来につながる大会へ」「誰もが個性を活かし力を発揮できる共生社会の実現」を体現した。


制作では「きこえない・きこえづらい=静寂」という固定概念を覆し、むしろノイズに苦しむ現実に着目。歪んだ音、届きづらい情報、振動で感じるデフアスリート特有の世界を、ヘッドギアアクセサリーで「見えやすく」表現した。「超えるのは障害ではない=デフアスリート自身の限界」というメッセージを込め、「あなたが超える壁は、なんですか?」という選手の想いを添えている。


ARISAKは10年間のフィギュアスケート経験を経て、大学生から写真家として活動開始。現在はファッション雑誌や広告ビジュアルのアートディレクション、撮影を手がける。フィギュアスケーターとして「ナイキ」×「サカイ」の広告モデルに抜擢されるなど、注目の若手クリエイターとして多岐にわたり活動している。


同協会は今回のポスターがデフリンピックへの関心を高める一助となることを期待している。