W杯イングランド大会前に、イタリア遠征中のラグビー女子日本代表「サクラフィフティーン」。イタリア代表と最後のテストマッチ(9日/日本時間10日)を控え、小鍛治歩選手、川村雅未選手、安藤菜緒選手がオンラインで意気込みを語った。
小鍛治歩選手 - 前に出るディフェンスでワールドカップへ
イタリアでのコンディションは良好だと語る小鍛治選手。本大会前最後のチャンスとなるイタリア戦への意気込みは熱い。スペイン戦で見つけた課題を修正し、より強いチームと対戦することで日本の良さを引き出したいと考えている。「イタリアはスペインよりもレベルが高いので、日本の良い部分をさらに出し、改善部分をこの試合で改善できたらワールドカップに向けて良い形で終えられる」
特に重視するのはゴール前ディフェンスの改善。チーム全体で取り組むべき課題として認識している。この1年間で、チームの強みである「前に出るディフェンス」が大きく成長してきたことを実感しており、その成果をイタリア戦で発揮したい考えだ。イタリアの乾燥した気候に対応するため、部屋の保湿に努めるなど細かなコンディション管理も怠らない。今回初めて体験したビジネスフライトでの移動については「今後あるか分からないほどの貴重な機会」と感謝を示し、この恵まれた環境に応えるべく結果を残したいと決意を新たにしている。
川村雅未選手 - ニュージーランドでの経験を糧に2度目の挑戦
2度目のワールドカップ出場となる川村選手だが、前回はプレイタイムが少なく悔しい思いをした。今回は3年間の積み重ねを自信に変え、自身の強みであるラインアウトを軸に存在感を示したい考えだ。前回大会後、自ら環境を変えてニュージーランドのクライストチャーチに渡った経験は大きな財産となっている。昨年2月から7月まで現地でプレイし、男子選手との合同練習も経験。体の大きい相手にどうアタックし、どう一発で倒すかというコンタクトの技術を磨いた。
「コンタクトに対する怖さがなくなり、自分からタックルに入れるようになった」この変化は彼女のプレイスタイルを大きく進化させた。ニュージーランドで築いた友人や家族からの期待も背負いながら、個人の出場への思いよりもチームに良い影響を与えることを優先する姿勢を見せている。イタリアチームについては、ラインアウトやスクラムのセットピースが非常に強く、バックスには速い選手が多いため「そこで点を取ってくるチーム」と分析。フォワードとしてこれまでの積み重ねをしっかり出し、必ず勝利してワールドカップに向かいたいと語る。
安藤菜緒選手 - 発掘プロジェクト出身者として恩返しを誓う
初のワールドカップメンバー選出となった安藤選手。イタリア到着後は時差の影響を感じたが、コンディションは良好だという。乾燥したイタリアの気候に戸惑いながらも、確実に現地に適応している。所属チームのブルーレヴズからも複数の選手が代表入りし、最後の練習では「壮行会」のような形でチームメイトから激励を受けた。監督の松田氏からは「グッドラック」の一言だけだったが、その言葉を胸にブルーレヴズと日本の両方の代表として戦う決意を固めている。
プレイタイムが増えた現在でも「まだ課題が多く、完成形だとは思っていない」と謙虚な姿勢を崩さない。神戸ラグビーアカデミーや所属チームでの指導により、パス後のスピード加速やスペースへのアタックが身についてきたと手応えを感じている。怪我でスコッドから外れた安尾選手からもらった手紙は常に肌身離さず持ち歩いている。そこには「菜緒なら大丈夫だよ」という励ましの言葉が紙一面にぎっしりと書かれており、大きな支えとなっている。
「以前は機会をもらえなかった立場だったため、このチャンスをいただけたことにすごく感謝している」発掘プロジェクト出身として、これまで関わってきた人々への恩返しの気持ちが強い。緊張よりも楽しみの方が大きく、世界レベルのラグビーを肌で体験できる貴重な機会を最大限活用したいと意気込んでいる。イタリア戦では自分らしいプレイでパスやフットワークを駆使し、相手を困惑させるプレイを描いている。
Photo courtesy of JRFU
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