2025年5月25日 天皇杯1回戦で関東サッカーリーグ1部の筑波大がJ2のRB大宮アルディージャを1-0で破り、ジャイアントキリングを達成した。
試合は前半に筑波大の廣井蘭人がヘディングで先制点を奪う展開。RB大宮はシステム変更や選手交代で反撃を試みたが、筑波大GK佐藤瑠星を中心とした堅い守備陣を最後まで崩すことができず、ホームでの敗退となった。筑波大は2回戦でV・ファーレン長崎と対戦する。
小井土正亮監督(筑波大)
「天皇杯は我々アマチュア、学生にとってプロチームと戦える唯一の機会だ。RB大宮サポーターよりも大きな声が出ている時があるほど、皆がこの舞台を楽しみにしてくれていた。準備してくれたRB大宮アルディージャ関係者には感謝しかない」
試合内容については「押される一方だったが、GK佐藤瑠星や2人のCB、前線からの守備で踏ん張り、なんとか勝てたという感想だ。決して相手を上回ったわけではないが、ギリギリの勝負に勝った選手たちに感謝したい」と振り返った。 ハーフタイムでは戸田伊吹ヘッドコーチが「このままでは絶対に終わらない」と選手たちを鼓舞。「リードしていたが、決して守備的にならず、もう1点を奪いにいくための守備や、奪いにいくやり方を整理したハーフタイムだった」と明かした。
事前準備ではRB大宮の全選手の個人プレー集を作成するなど徹底した分析を実施。「どんな選手が出てきても大丈夫という準備をしていた。メンバーを見た時は予想と全く違ったし、途中でのフォーメーション変更も想定外だったが、慌てずに対応できた」と準備の成果を強調した。
2回戦の長崎戦については「正直まだプランはない。我々はチャレンジャーでしかないし、胸を借りにいきたい。筑波らしいプレーを長崎でも見せたい」と意気込みを語った。
長澤徹監督(RB大宮)
「5,000人近くのサポーターに来ていただいたが、結果は敗退で、非常に申し訳なく思っている。一昨年の降格時の雰囲気になり、選手をさらしてしまった形になった。責任を感じている」 試合内容については「典型的にやられる内容だった。相手のシュートは4本、枠内1本。そこで隙を突かれた形だった。その後追い上げたが、こじ開けられなかった」と分析。
「もったいないのは前半の入り。25分が勝負だと送り出したが、後手に回ってしまった。そこから前に人数をかけて出ようとしたが、ボールが前へ出ない形になった」と前半の課題を指摘した。
リーグ戦出場メンバーではなく控え選手中心で臨んだ采配については「そちらの方が勝つ確率が高いと考えたことと、インテンシティの高いチームなので、試合に出続けていたメンバーが疲弊していたのも一つの理由だった。結果が全ての世界なので、采配ミスだった」と率直に認めた。
「強度などは準備と予測が全てだが、準備しきれなかった。それが局面で後手になった一番の原因だと思う」と敗因を総括し、準備不足を自ら反省した。
筑波大は学生チームとして堂々たる戦いぶりを見せ、プロチーム相手に歴史的な勝利を収めた。2回戦での更なる躍進が期待される。
取材:HiroshigeSuzuki/SportsPressJP
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