優勝にこぎつけるのはミッションインポッシブルのような状況だった

「継続性が必要だった」 3期連続2位に終わり監督は退任へ

本日行われた最終節の試合で、チームはノジマ相模原に3-1で勝利したものの、日テレ・東京ヴェルディベレーザが自身の試合でリードしていたため、リーグ優勝の可能性が消滅した。これにより、チームは3期連続で2位という結果に終わった。試合後の記者会見で、監督は今季限りでの退任について語った。

「リーグ優勝には大量得点が必要だった」と語る監督は、前半戦の難しさを振り返った。雨と風の悪条件の中、選手たちに焦りが見えたと分析。「前半はチャンスはできていたが、決めきれなかった」と語った。

後半に入る前に東京NBがリードしているという情報を得ていたため、「優勝にこぎつけるのはミッションインポッシブルのような状況だった」と説明した監督。それでも後半は雨も止み、「自分たちのプレイができる形になった」と手応えを語った。

戦術面では、スリーバックを基本としながら、相手の早いカウンター攻撃に対応するため、パオラ選手を中盤に配置。途中、高さを考慮してサンプソン選手を投入するなど、柔軟な対応を見せた。また最終盤にはフォーバックに変更し、サイドからの攻撃を強化した戦略も展開した。

記者から「3期連続2位となった要因は何か」と問われると、監督は「継続性の欠如」を挙げた。「去年は素晴らしいシーズンで皇后杯も獲得したが、その後素晴らしい選手たちが抜けてしまった」と説明。新しい選手を迎え入れての再構築となったことが響いたと分析した。それでも「今期は去年よりも勝ち点を多く積み上げている」と選手たちの努力を評価した。

「優勝するために足りなかったのは得点力だった」と振り返る監督は、「浦和戦と広島戦での取りこぼしが痛かった」と具体的な試合名も挙げた。また、この日の試合でも「成宮選手のシュートがポストに当たって入らなかった」など、運にも恵まれなかった面を指摘した。

試合終了後、円陣を組んだ際に選手たちには「あなたたちを誇りに思う」と伝えたという。「選手たちはよく頑張ってくれた」と評価し、「ファンも一緒に戦ってくれた。一丸となって得た勝利だった」と感謝の気持ちを示した。

退任の理由については、「1月2月ごろから、ここでの仕事のステージが終わりなのかなと感じていた」と明かした。「クラブとの関係性も変化を感じた」と述べ、「新しい道に進むのが良いと判断した」と説明した。

今後については「一度帰国してしっかり休む」としながらも、「日本との縁ができたので、将来また機会があれば日本のチームの指揮を取りたい」と期待を示した。

会見の最後には、日本のメディア対応の丁寧さに触れ、「皆さんと良好な関係を築けた」と日本のメディアに対して感謝の言葉を述べた。

取材：AtsuhikoNakai/SportsPressJP