2025年5月3日、ディビジョン1 第17節 静岡ブルーレヴズ vs 浦安D-Rocks 戦が、ヤマハスタジアムにて行われた。試合後、藤井監督とクワッガ・キャプテンが記者会見に臨んだ。
藤井監督は「なんとか試合は勝ち切れて5まで取れた」と、勝利と勝ち点5獲得を評価した。次戦は「すごい大事な試合になってくる」とし、気持ちを切り替えて「あと4つ勝てるようにしたい」とプレーオフを見据えた意気込みを示した。
クワッガ・キャプテンも、今日の試合には「ポジティブな部分もありましたし、ネガティブな部分もあった」と認める。しかし、「選手たちのことを誇りに思う」と述べ、多くの観客の前で「このような勝ちができたことって本当に素晴らしい。嬉しく思います」と語った。たくさんのトライを見せられたことは「すごくエキサイティングなラグビーを見れたんじゃないか」と感じている。ここからさらに「ハードワークをし続けて」、自分たちのラグビーを「一貫性を持ってプレーをできるように準備をして、次に向かっていきたい」と続けた。レヴズにはこれから「大きな大きい大仕事が待ってる」という。
攻守の成果と、痛感したディフェンスの甘さ
攻守について、攻撃面では「点数もたくさん取れたので、プラン通り行けた部分もあった」と藤井監督は成果を挙げた。一方、ディフェンスには課題があったとし、「やはり負けたくないっていう気持ちが先に出ないとなかなか難しい」こと、「頭と体、その部分が一致しないとなかなか難しい」点を指摘した。さらに、「ちょっと人に任せたりとか、簡単なプレーも多かった」こと、そして多くのファンが見守る中で「ちょっとかっこつけようかなみたいなやつが何人かいた」ことが、失点が多くなった原因ではないかと見る。
クワッガ・キャプテンも、今日の試合は「ちょっとインディビジュアルになってしまった部分があった」こと、「ボールもおぼつかないような形でこぼれ球を作ってしまったり」したことに言及する。浦安D-Rocksは「そこからのアタックが良かった」と分析した。このような形で試合を続けるのは簡単ではないため、「そういうとこはしっかりと改善をしていかなきゃいけない」としつつも、トライをたくさん取れたことは「自分たちにとってもポジティブな結果だった」と述べた。ディフェンスの課題は「しっかりと修正していく必要がある」と改めて強調する。
「モーターズ」で奮闘、エナジーをもたらした選手たち
藤井監督は、メンバーを大きく入れ替えたことについて、疲労考慮に加え、「モーターズで試合に出たいとすごく頑張ってくれている選手がたくさんいるので、今節のような難しい試合こそ、そういう選手のエナジーが欲しい」という期待があったと述べた。
特に、前半に出場した三浦駿平選手については「すごい頑張った」と高く評価し、「モーターズのプレッシャーの中で彼が一番リードしてやってくれたので、今日の評価としてはすごい良かった」と述べる。三浦選手はこの試合が実に約3年ぶりの出場であり、怪我からの復帰だった。昨季の怪我明けでメンタルが落ち込んだ時期を経て、コーチ陣や先輩との対話から「自分にベクトルを向けてやり続けること」の重要性に気付き、今季は「自分のやるべきことにフォーカスして、自分の成長につなげる」ことができていると語っていた。体作りや攻守におけるコンタクトスキル向上、ラインアウト成功率向上に励んできた努力はコーチ陣にも評価され、今季の『モーターズ・アワード』を2回受賞していた。これらの努力が今回のメンバー入り、今日の活躍につながったようだ。藤井監督は、三浦選手のディフェンスには難しい部分があったとしつつも、アタック面での頑張りを評価した。
また、作田駿介選手については、最初から80分出場することを伝えており、「スクラムも良かった」と評価した。いくつかのミスもあったものの、「それも少しずつ自分の課題として克服していくんじゃないかな」と期待を寄せている。バイスキャプテンの桑野詠真選手も、第8節以降は怪我で出番に恵まれなかったが、腐ることなく「モーターズの中で自分の役割を果たしてきた」と見どころ記事で紹介されていた。試合前の見どころインタビューでは「セットピースとディフェンスのワークレート、とくにレヴズの強みであるスクラム、モールで浦安DRをドミネートしていくところを体現したい。本当に死ぬ気でいくぐらい自分の仕事をやりまくるだけ」と熱い意気込みを語っていた。藤井監督は、こうした「モーターズ」で頑張る選手たちがチームに強烈なエナジーをもたらすことに期待していた。
プレーオフ進出を可能にした土台
レヴズが強く、初のプレーオフ進出を決められるチームになった要因について、藤井監督は昨シーズンの最終戦での東芝ブレイブルーパス東京への大敗を挙げた。その経験から「どうやったら優勝できるか」「どうやったら東芝に勝てるか」を逆算し、プレシーズンからかなり厳しい練習を課してきたこと、そして「それを一つずつ選手がクリアして自分のものにし、結果で出せるように持ってきた」ことを挙げた。選手たちが少しずつ「自信」と「確信」を持つようになったこと、「そういう一つ一つの成功の積み重ねが今うちの土台になっているんじゃないかな」と考えている。奥村選手も怪我から復帰し、大きな試合になっても物怖じせず、いつものプレーができる選手だと藤井監督は評している。
クワッガ・キャプテンも、藤井監督が就任してから昨シーズン積み上げてきたことが今シーズンに繋がったと考えている。それに加え、「選手層がすごく厚くなった。競争がやはり激しくなってきた」ことを大きな要因として挙げる。今日の試合で三浦駿平が誰かの代わりに入っても、「前のいた選手と変わらずプレーできる」ことが選手層の厚さを証明しているとし、「これから自分たちとしては、そのチームの一丸となって、1つになってプレーしていくってことがすごく重要だと思いますし、それがすごくできる」チームだと感じていると語る。
次戦アウェイでも特別なことはしない
次戦はアウェイゲームとなることについて、クワッガ・キャプテンはクォーターファイナル、そしてもし勝利した場合のセミファイナルもアウェイとなることを確認した。アウェイであっても重要なのは、「しっかりとやってきたことを一貫性を持ってやり続けること」だと強調する。今までのシーズンで「培ってきたこと、学んできたものをやり続けること」であり、「何か特別なことやる必要はない」とし、「自分たちがやるべきことをやる、しっかりと学んだことをやっていくってことが重要になってくる」と述べた。
取材: Atsuhiko Nakai /SportsPressJP
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