次世代選手、オーストラリアに惜敗も手応え

2025年2月14日、国際親善女子車いすバスケットボール大会の初日、日本は予選リーグでオーストラリア代表と戦った。添田監督は次世代を見据えた10人の選手構成で臨んだ。今回は、次世代のカテゴリーに強化指定として入っている選手は「全員選んでいる」と説明した。


試合展開 

初戦では、国際試合が初めての選手が約半数を占め、皆が「もの凄く緊張していた」という。「一旦全員出そうと思って、前半はもう全員使いました」と監督は対応を語った。結果、「チームで短い期間やってきたことが得点に繋がったから、多分自信ついたのかなと思う。いいプレーいっぱい出たので、非常に良かった。前半は想像以上に出来が良かった」と評価した。


後半は相手の対策に苦しみ、「向こうも対策してきたというのがあって、チーム全体がなかなかその対策に対して対応できなかった」と振り返る。特に第3クォーターから第4クォーター序盤にかけて苦戦を強いられた。相手チームがディフェンスを強化し、ボールマンへのプレッシャーを高めてきたことに対して監督は、「柳本選手がボールをキープする時間が長く、パスが通らない場面が多くなった」。そこで江口選手に積極的にボールを受けに来るよう指示、柳本選手をフリーにし他の選手へのパスを中継する役割を求めた。

そして終盤には驚くべき追い上げを見せた日本。「今までああいう展開って、ほぼなかったと思う。短い時間であそこまで点差を縮めるのは久しく経験していない」と監督は驚きを示した。 



戦術とチーム作り 

戦術面では、「ディフェンスとオフェンス、それぞれのトランジションのその4つの局面でこういう戦術を使いましょうというところを取り入れてきた」と説明。特にオフェンスでは、アーリーオフェンスを採用。「人数が揃っていたとしても、アーリーのオフェンスというセットオフェンスがあるので、そこでしっかりフィニッシュに行きましょう」という方針を示した。 さらに「自分のショットエリアのチャンスが出たら、迷わずそこは打つ」と選手に指示。「少しでも迷うとミスに繋がるので、自分が打つと決めたら迷わず打つ」と明確な判断を求めた。


選手の成長と手応え 

添田監督は選手たちの活躍に大きな手応えを感じていた。「みんなそれぞれ、ほんとにいい仕事してくれた」と評価。また「いつもだったらプレイタイムの少ない選手がいるが」今回は出場時間の偏りが少なかった。これについて「主力を使うぐらいレベルが違ってたらそうなると思うが、各々のいいところがそれぞれであるので、目的によって変えた」と説明。 例えば増田選手については「地味だけど、そういう仕事できる選手」と評価した。わずか3年の競技歴ながら活躍した郡司選手については「2年前はもっと荒々しかったが、良くなりました」「1番成長した選手」と評した。


今後の展望 

チーム育成については、12月末の就任以降、1月中旬の3泊4日の合宿と、大阪カップ前の約3日間の練習、そして現地での3日間という限られた時間での準備だった。「ここまで仕上がったので、もう上出来」と手応えを感じている。 大会の目標については「全勝優勝です。選手が決めました」と明言。「私は選手が決めた目標にしっかり導いていくだけ」と、選手主導の目標設定を尊重する姿勢を示した。 今後について「采配のところももう少し勉強して、このタイミングじゃなかったのかなとか、もうちょっとここでメンバーチェンジかなとかというの、もう少し勉強しながら行ってきたい」と課題を挙げた。