車いすバスケットボール郡司選手 ~初代表戦でみせた可能性~
日本代表として初めての試合に臨んだ郡司渚名選手。オーストラリアとの一戦で、チームは惜しくも敗れたものの、印象的なパフォーマンスを見せた。
「逆転をしていい感じだったんですけど、でも巻き返されてしまって、今すごく悔しいです」と試合を振り返った。「でもみんなでやろうとしたことは何回もやろうとして、そこはみんなでやることを意識してうまくはいけたと思います」
わずか3年前の2022年にバスケットボールを始めた郡司選手。それまでは音楽活動に打ち込み、ドラムを演奏するバンド活動を行っていた。「元々は音楽をやってたんですけど、そこから急に真逆の生活になった」と、異色の経歴を持つ。 生まれつきの二分脊椎により、「普段車椅子を使って」いるが、「ゆっくり歩くとかなんで普段短い距離なら歩ける」という。現在は株式会社スカイのアスリート雇用制度を活用し、2022年12月からトレーニングに専念。茨城県立医療大学の健常者チームとも練習を重ねている。
「私の強みは、そのスピードと外のシュートとカットインしてディフェンスをごちゃごちゃにするっていうこと」と自身の特徴を語る。この日の試合でも3ポイントシュートを決めるなど、持ち味を存分に発揮。「みんなが私が打てるように、シュートチャンスを作ってくれたりして決めることができました」 会場からの声援にも力をもらったという。「小学生たちもいろんな大人の方たちも来ていただいて、すごい声が聞こえたりして、すごいパワーに変わりました」
わずか3年でトップレベルへ急成長した背景には、多くの支えがあった。「私の周りの人たちのおかげで練習場所を確保していただいたり、周りの人たちのおかげで今ここまで来ることができました」と感謝の気持ちを語った。
そして、パラリンピックも視野に入れる。「日本代表が強くなっていくために私もすごい力になりたいと感じ、日本のために私も強くなりたい。チームのために本当にもっと強くなりたい」と、ロサンゼルスパラリンピックへの意欲を示した。
スポーツ未経験から3年という短期間で日本代表に上り詰めた郡司選手。その可能性はまだ始まったばかりだ。
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