織田信成選手が2024年全日本フィギュアスケート選手権でのフリースケーティングを終え、合計234.68点で総合4位となり、現役最後の全日本を締めくくった。彼はこの大会に向けて多くの思いを抱えて臨んだが、結果を受けての心境を率直に語った。
「正直ちょっとフリーを終わった後もトップと争える点数ではなかったんですけど、入賞っていうことだったので、入賞できてよかったっていう形で、もう本当に、なんかちょっと自分でもびっくりというか」と、彼はフリースケーティングの結果について振り返った。4回転ジャンプに失敗したこともあり、完璧な演技ではなかったと認めつつも、11年前の全日本選手権でも同じ4位だったことに驚きを隠せなかった。「まさか11年前も4位だったんで、まさか同じ位置にいるなんてっていう、なんか信じられない気持ちですけど」と、感慨深い表情を浮かべた。
大会を通じて、若い選手たちと戦うことができたことに喜びを感じていた。「本当に若い選手たちと今回戦うことができて、またフリーは最終グループっていう、これもまた11年ぶりに味わうすごいヒリヒリとした緊張感の中で滑ららしてもらうことができて、本当にいろんないい経験ができた全日本選手権でした」と、彼は大会の意義を語った。
復帰して良かったという思いも強く、「やっぱり復帰しなければ、やっぱりこの苦しさも分からなかったし、またこういうふうに全日本選手権で滑る楽しさも知ることができなかったので」と、スケートへの愛情を語った。「本当に滑ってて、自分ってやっぱスケート好きなんだなって、スケートって楽しいなっていうのを、こう改めて氷の上から感じることができて、凄くこう拍手も温かくて、本当に嬉しい気持ちと感謝の気持ちでいっぱいでした」と、観客の温かい応援が彼にとって大きな支えとなったことを明かした。
表彰台争いに関する問いに対しては「そんなこと全然考えてなくて。やっぱり今の選手と比べると4回転の数も全然足りないですし、それ以外にも足りない部分がたくさんあって」と、謙虚な姿勢を崩さなかった。彼は自分の限界を超えたいという思いが強く、「自分が今この死ぬ気で努力したら、どこまで今のトップの選手たちと戦えるんだろうっていうところがやっぱり知りたい」と語った。
精神的な成長についても触れ、「1番の成長はやっぱりそういう精神的な部分で、前1回目の現役の時は、本当に挫けそうになったら、そのままミスを引きずってしまうことも凄く多かったんですけど、今は自分を信じるっていうか、応援してくれる人を信じて」と、過去の自分との違いを明確にした。「みんなが応援してくれるから、よっしゃ頑張るぞっていう気持ちにもう1段階なることができた」と、周囲の支えが彼の精神力を強化したことを語った。
後輩たちに対しては、今の男子フィギュアスケートが世界トップクラスであることを認識し、「実力はもう本当に今の男子は特に世界トップクラスで、やっぱりこういった本番でいかに力を出せるかが勝負になってくると思う」とアドバイスを送った。「僕もやっぱり本当にそういうプレッシャーから逃げたいとか苦しいって思うことがあって、でも今振り返って思うのは、なんか今そうなんですけど、やっぱりこの場にいることが凄く感謝というか」と、全日本選手権に出場できたこと自体に感謝の気持ちを表した。
大会を終えた後、彼は「一応1月に国スポがあるので。岡山でもう一舞いしてから引退しようかなって思ってるんですけど」と、今後の予定について触れた。「でも僕自身は凄く滑るのが大好きなので、アイスショーに呼んでいただける機会があればアイスショーも滑りたいです」と、スケートへの情熱は衰えていないことを示した。
また、スケートを知らない人々にその楽しさを伝えたいという思いも強く、「今、日本の景気的にもなかなかフィギュアスケートってまず始めるのが大変だったり、いろんな経済状況とか、こう世界状況の中だとは思うんですけど」と、フィギュアスケートの普及についての課題を語った。「そういう意味でもスケートを知らない方たちにスケートの楽しさを伝えられるような、そういう活動もできたらいいなと思ってます」と、未来への展望を描いた。
大会前には、友人や子どもたちからの応援メッセージが彼の心を支えた。「あのラインでいつも通り今日も頑張ってねってみんな応援してるよっていうメッセージで、今日は友達も全員見に来てくれてたので、みんなで応援してます。みたいな感じでメッセージくれました」と、周囲の支えが彼にとってどれほど大きな力になったかを語った。「本当にそういうメッセージでも凄く気が和んで頑張れました」と、感謝の気持ちを表した。
織田信成選手の言葉には、彼のフィギュアスケートに対する情熱や、周囲への感謝、そして未来への希望が詰まっていた。
Photo by HiroshigeSuzuki/SportsPressJP
0コメント