鍵山選手は「今までどの試合でも金メダルがなかなか取れない状況が続いていたので、この金メダルは次につながるいいスタートになる。これがゴールではなく、新たなスタートとしてまたやっていかなければならない」と気を引き締めた。次に控える世界選手権にむけて「年明けからいいスタートを切れるようにもっともっと頑張りたい。構成を変えるかどうかまだわからないけど、世界選手権ではもっと果敢に挑戦できる構成を目指したい」と語った。
全日本選手権についての思いも特別だった。「日本一を争う舞台はすごく特別で、年明けの試合に繋がるすごく大事な試合だった。僕の中でも特別な思いがあったし、ここで優勝して次に繋げたいと思っていた」と語る。その中でショートプログラムではミスがあり悔しさを感じたというが、「今日のフリーはその悔しさを晴らせるような素晴らしい演技ができたと思うので、それは本当に嬉しい」と振り返った。
試合への切り替えについては、「ショートが終わった時点で、今日は今日、明日は明日という風に考えていた。とにかく全力でやりたいという気持ちと、あと今日フリーを滑る前に父から全力で戦ってこいと言われたので、その闘志だけをしっかり燃やして臨んだ」と気持ちを整えた経緯を語る。
同じ試合に出場したリオ選手についても触れ、「年齢は少し離れているし彼はジュニアだけど、仲も良くて、彼もすごくジャンプやいろんな才能がある選手だと思う。試合を見ていても今回一緒に滑っていてもすごく刺激をもらったし、彼は本当に楽しんで滑っていると思う。僕ももう少し見習って楽しんで試合に臨むことを心がけたい」と笑顔で語った。
優勝を決めた時の氷の感触について「すごく気持ちよくて、あまり寝そべることはどうなのかなと今まで思っていたけど、出し切れたからいいかなと思った。昌磨さんの真似をしてみたけど、ああいうことは普段はしないから、今日は全部出し切って体力も使い果たして本当に良かったと思う」と充実した表情を見せた。
今後の目標については、「あまりやりすぎても面白くないと思うけど、世界選手権で自分の出せるものをすべて出せたらいいと思う。これが基準となるので、年明けはこれを超える演技をしなければならない。もっともっと頑張って毎日の練習を充実させて、いろんな努力をしていきたい」とさらなる高みを目指すと語った。
全日本チャンピオンとしての称号については、「今はあまり実感がないけど、取材や試合に出るたびにその称号で紹介されると思う。でも僕自身はあまりそういうのは気にせず頑張りたい」と淡々とした様子を見せる。「昌磨さんや他の先輩方はそれ以上の結果をたくさん残してきたと思うし、僕よりももっと大きなプレッシャーを感じていたはず。僕はその第一歩を踏み出せたと思うし、ここからが勝負だと思う。自分の目標や計画をまた一から立て直して頑張っていきたい」と気持ちを新たにした。
Photo by Hiroshige Suzuki / SportsPressJP
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