フットサル日本女子代表は、2025年5月の第4回女子フットサルアジアカップ、そして同年11月に初開催となる女子フットサルワールドカップに向け、国内トレーニングキャンプを12月18日から21日まで高円宮記念JFA夢フィールドで実施した。
須賀雄大監督は、このキャンプについて「非常にタフな日程での活動だったが、選手はハードワークをしてくれた。スタッフも献身的に支えてくれた。宮本(夏奈)の離脱は残念だったが、最後までやり切れたことは嬉しく思う」と振り返る。また、11月と12月のキャンプの意図については「伸びしろを探して新しい選手や組み合わせを発見することが重要だと思っていた。その意味でいろいろな組み合わせを試せたし、選手が躍動して競争が生まれているのは代表にとって良いことだと思う」と述べた。
練習試合で見えた出足の悪さについては、「クラブのように活動できない中、‘負けてはいけない’という重責が代表チームにはある。ある程度硬くなるのは仕方がないこと。僕もプレッシャーをかけていて、先に失点したら厳しくなるというマインドで入っているので、しょうがない部分もあると思っている。ただ、大事なのはその後に改善し、選手たちが状況に適応していくことだ」と語った。
さらに、全国の女子フットサル選手やフットサルプレイヤーを目指す人々に向けて「日本代表はすべての人に開かれている場所だ。Fリーグを目指す選手が一人でも増えて、強い日本代表を作っていけたらと思う。ぜひフットサルというスポーツにトライして、このスポーツの楽しさを知ってほしい」とメッセージを送った。
12月21日に行われたアニージャ湘南との練習試合(15分×3本)では、岩崎裕加が先制点を挙げ、チームに流れをもたらすと、筏井りさが追加点を決めて2‐0で勝利した。この試合について須賀監督は「相手が勝負に徹してくれた中で、押し込む時間が多い中で点を獲り切れるかがポイントになった。チャンスがある中で点を獲れず、リードを広げられない展開だったが、やるべきことをやり続けた。アジア予選を意識して戦えた部分はある」と総括した。
岩崎裕加は「アジアカップ、そして次のワールドカップに向けての準備期間だと思っているが、新加入選手や組み合わせを試すこと、自分の課題を見直すことができたキャンプだった」と振り返る。自身の成長については「チーム最多の15得点(リーグ2位)を獲れたことは自分の成長だけでなくチームメイトのおかげでもある。代表に呼んでもらっているが、まだまだ結果を出せると思っている。課題も見つけられたことで良い1年になった」と語った。
この日、難しい体勢で先制点を叩き出した岩崎は「監督から‘自分が決めるぞ’という強い気持ちを持って行こうと話があり、自分もそれに対して取り組めたので良かった」と振り返る。「相手を背負ってのシュートが自分の武器なので、もっと生かしたい」と意気込んだ。
一方、筏井りさは、試合中に挙げた追加点について「サッカーほどゴールが大きくはないので難しさはあるが、そこを決め切って2‐0にできたのは大きい。自分はゴールにこだわっているので良かった」と語る。この12月合宿については「かなり限られた中での活動で、代わって入ったメンバーもいる中で良いトレーニングができたと思う」と手応えを感じていた。
36歳で代表最年長となる筏井だが、「年齢では一番年長になるが、私よりも経験や代表歴が長い選手はたくさんいる。学びつつ、世界と戦うためにまだまだ経験値は浅いと思うので頑張っている」と話した。また、今後に向けては「代表活動もチームがあってのもの。チームとしてリーグ5連覇を逃し悔しい思いをしているので、次の全日本フットサル選手権でタイトルを獲るために全力で戦いたい。フットボーラーとして世界大会は目指すべき舞台で、日本代表として世界のトップに近づくための準備をしたい」と決意を新たにしている。
最後に須賀監督は、解散前のミーティングで選手に向けて「チームとして良くやってくれたが、ただ2ゴールだった。チャンスを決め切ることはどの場所にいても成長できる。クラブに戻って個人にフォーカスをしてレベルアップをして、次のキャンプで会えるか。4月にはレベルアップして会おう」と伝えた。
取材/写真:石田達也
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