「熱いうちに打て」今こそ成長を加速させるべき時

~2024年、新生なでしこジャパン始動~

監督代行を務める佐々木範雄氏は、2027年ワールドカップ、2028年ロサンゼルスオリンピックに向けた強化の一環として、韓国女子代表との国際親善試合に臨むメンバーを発表した。 今回のメンバー選考は、パリオリンピックメンバーを中心に、U-20ワールドカップで活躍した若手選手も抜擢。ベテラン、中堅、若手をバランスよく融合させることで、チームに新たなリズムを注入し、次世代の育成を促進する狙いだ。

特にU-20ワールドカップで頭角を現した選手たちには大きな期待を寄せており、今後のなでしこジャパンを背負う存在へと成長してほしいとの願いを込めている。

海外組は23人中16人と、その数は増加の一途。佐々木氏は、映像やオンラインツールを活用し、選手たちのコンディションや試合状況を綿密にチェック。海外組とのコミュニケーションも密に取っていることを明かした。


今回の対戦相手である韓国女子代表については、数ヶ月前のアメリカ戦の映像を分析。ベテラン選手が多く残留していることから、ある程度の戦力把握はできているものの、佐々木氏自身、韓国には過去3勝3敗2分であり、緊張感のある試合になることを予想している。キャプテンについては、選手たちのコンディションやトレーニング状況を見極めた上で、チーム全体で決定する方針だ。 また、試合は2試合予定されており、選手のコンディションを考慮しながら、ベストなメンバー構成で臨む。


佐々木氏は、なでしこジャパンの伝統的な強みである、連携・連動した攻撃と守備、コンパクトな陣形を保ちながら積極的に仕掛ける守備を継承しつつ、新たな要素も取り入れていくことを強調した。 特に、相手のビルドアップ時にボールを奪う回数が、過去のオリンピックでは平均18回を超えていたのに対し、ベスト4常連国は6~8回程度である点を指摘。より意図的な守備の強化が必要であるとの見解を示した。


新戦力として期待される遠藤選手については、WEリーグやアジアの大会での活躍を高く評価。負傷中の清水選手と似た、攻守にわたる質の高いプレーに期待を寄せている。

また、ベテランの熊谷選手には、豊富な経験を若手選手に伝え、チームを牽引する役割を期待。 佐々木氏は、熊谷選手自身も更なる成長を目指しており、次世代へ繋がるプレーを見せてくれると確信している。


新体制発表会では、次期監督に関する質問も集中。佐々木氏は、年内決定を目指し、様々な人物と面談を重ねていることを明かした。 また、具体的な選考基準については、まだ明言を避けたものの、広報担当者などの人材も視野に入れていることを示唆した。

今回の韓国戦は、次期監督へバトンを渡すための重要な試合と位置付け、なでしこジャパンの伝統を引き継ぎつつ、新たなスタイルを確立していくための布石となる。 若手選手の台頭、海外組の増加、そして新監督の選定と、なでしこジャパンは大きな変革期を迎えている。 韓国戦での戦いぶりは、今後のチームの行方を占う上で重要な試金石となるだろう。

#なでしこジャパン #nadeshiko 

取材・石田達也

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